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第三章 団体編 女性の団体活動

婦人ボランティアあゆみ会

会長 一宮 孝子

 この会の発足は、昭和五十六年四月。七週に渡る公民館講座で「婦人ボランティア育成講座」を受講し、修了証を手にした講習生四十名の賛同によって結成され、一歩一歩あゆめの「あゆみ会」と名付け名称とともにあゆみ出したのであった。
 この会の結成にあたり大変ご尽力下さった当時の社会教育係長の野尻さん(現消防長)のお力添えで、皆さんのあたたかい心が結集し、初代会長に高尾君子さん(平成七年三月死去)を選出し、暗中模索、本当の手さぐり状態で一歩前進した。子供を育てあげた同年代の婦人の集まりで和気合々の活動を続けている。
 昭和五十八年四月、二代目会長として川野雅子さんが就任し、二年間会の発展に尽力された後、町外に転出された。
 昭和六十年四月、曲がりなりにも三代目会長を浅学非才な私に仰せ付かり今日に至っている。
 当初はボランティアと言う言葉が珍しく、会員にも意味が理解しにくい状態であった。先ず手始めに在宅老人の入浴サービスを計画したが入浴を希望する老人がおらず、開店休業の状態であった。後で分ったことですが、寝たきり老人も他人に見られる、さわられることが恥かしいといやがり、当時の社会福祉協議会会長高橋寅吉氏が一軒一軒家庭訪問し、やっと一人の承諾を得て始めたが、入浴する方もされる方も初めてのこと、汗だくになって、冷汗をかきながらもやっとの思いで初期の目的を達成することができた。現在では十五、六名の希望者がおりうれしい悲鳴をあげており、当時の高橋会長さんのご苦労が夢のようである。

掲載省略:写真〜ラベンダーハイツに寄贈する靴下カバー作り(昭和61年9月23日例会)

 又会員の和を大切にと月一回の例会をもち、在宅寝たきり老人のオムツを作りながらコミュニケーションの場として情報交換をしている。
 最初は月一回の例会であったが、会員の希望により月二回から三回の集まりとなっている。

   年間の活動事業として
 奉仕活動
  一 在宅老人の入浴介助
  二 独居老人の昼食サービス
  三 特別養護老人ホームのシーツ交換
  四 在宅寝たきり老人のオムツと清拭[せいしき]作り(例会)
  五 交通安全キャンペーン(ラベンダー香袋作戦)
  六 障害者自立資金造成協力(書損じ葉書の収集)
  七 社会行事への参加
   ○ 赤い羽根募金活動
   ○ 招魂祭のお手伝い
   ○ 敬老会のお手伝い
   ○ 独居老人の紅葉見学のお手伝い
   ○ ふれあい広場への参画
 研修活動
  一 研修会派遣(道内・道外)
  二 研修旅行(年一回、道内)
 資金造成
  一 リサイクル市(家庭の不用品販売)
  二 ラベンダー香り袋作成(例会で作成)
 その他(レクリエーション)
  一 お花見
  二 パークゴルフ大会
  三 料理講習
  四 新年会

 以上よろずボランティアとして活動しているが、会員のあたたかい心が天に通じたのでしょうか、いろいろな賞をいただいた。
 平成六年一月、読売財団より福祉奨励賞、副賞として二十万円いただき、記念に全員のピンクの可愛いいエプロンを揃えさせていただいた。
 同年七月、上川支庁地区福祉協議会会長賞受賞
 同年八月、全道福祉大会(釧路市)で北海道福祉善行賞を横路前知事より受賞
 平成八年八月二日、北海道新聞社福祉奨励賞と副賞(二五万円)を札幌市かでる2・7で受賞 同年十一月十五日、東京日比谷公会堂で開催された平成八年度全国社会福祉大会において、共同募金運動奉仕の功労により厚生大臣から表彰された。受賞にあたり通知を受けたときは、一瞬おどろきと戸惑いを感じたが受賞のため会長と副会長が出席した。当日、参加者約二五〇〇名の前で受賞した時は新たな感激と今後増々の活動を続ける力が沸き上がって来た。このいろいろな賞を糧に、より一層頑張って行きたいと思って居る。そして次の世代にうまくバトンタッチ出来ることがボランティア継続につながると心に念じている。
 会員のひたむきな心、縁の下の力持ち、地味な活動であるが、皆んなで協力し合い、現在七十一名の会員の輪がもっともっと大きな輪と広がって行くことを願って止みません。

かみふらの 女性史  平成10(1998)年3月1日発行
編集兼発行者 かみふらの「女性史をつくる会」 会長  倉本 千代子