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発刊によせて
上富良野町長 尾 岸 孝 雄
かみふらの女性史の発刊に対し心からお祝い申し上げます。
上富良野町開基百年を機とし、女性の立場から、地域の女性がまちの発展に寄与した業績や生き方等を「かみふらの女性史」として集大成されましたことは誠に意義深いことであり、喜びに堪えません。
本町は、明治三十年四月、三重県からの団体入植の先遣隊田中常次郎一行が、雄峰十勝岳の麓、富良野平原の母なる地、上富良野の草分地区に入植したことに始まり、以後百年間にわたって、先人のたゆみない努力と強い愛郷心によって、今日の豊かな上富良野町が築かれてまいりました。
開基百年という輝かしい年を迎え「いしずえ百年・夢元年・とびだせ未来へ」のシンボルテーマを掲げ、町民の皆さんと共に、先人の築いた尊い歴史と労苦を偲び、その業績を讃え、上富良野町二世紀に向け、限りない発展を願い「個性と活力みなぎる住みよい二十一世紀のかみふらの」の実現を目指す出発点にしたいと考えています。
本年は、開基百年記念事業として、歴史を後世に伝えていくため「上富良野百年史」を発刊するところであり、こうした時期に「かみふらの女性史」が発刊されましたことは極めて意義深く、関係者の熱意とご努力に心から敬意を表します。
また、内容も「入植時からの生活の様子」、「戦中の留守家族、援農受入家庭、女子艇身隊、引揚者、従軍看護婦、戦争未亡人等女性の戦中・戦後」、「女子青年団、婦人会等団体活動の歴史」、「職業や文化等女性個々の生き方」、「歴史年表」等から編集され、厳しい開拓の試練に耐え、男性と共に今日の上富良野町を築いてこられた逞しい女性の姿は、上富良野発展の歴史そのものであると考えます。
近年、女性は社会進出への増加等ライフスタイルにも変化がみられ、国においては男女共同参画社会の実現に向けたプランの策定等、女性の社会参加への条件整備が図られており、このようなことからも、女性は地域社会において重要な役割を担っているものと考えます。
これからも「住んで良かった」と実感できる上富良野町二世紀のまちづくりにおいて、皆さんの一層のご活躍をご期待申し上げます。
終わりに編集に携わった方々のご苦労に心から感謝を申し上げお祝いの言葉といたします。
かみふらの 女性史 平成10(1998)年3月1日発行
編集兼発行者 かみふらの「女性史をつくる会」 会長 倉本 千代子