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上富良野商工会

市街地が発展して来たのに各業者間の連絡協調を欠くということは、不良行商人に漁夫の利を占められ、需要者にも不満を感ぜしめるものであるとの立場から、上富良野商工会の設立を申請したのは昭和十一年一月十三日で、同年三月六日に許可になり事業の開始を見たものである。
山本一郎を初代会長として任意団体で発足したが、間もなく昭和十二年の日支事変、更に大東亜戦争へと拡大、店主は応召、物資は無くなり苦難の毎日であった。やがて敗戦を迎え戦後の復興に全力で取組み活動を続けて来たのである。
昭和三十年陸上自衛隊上富良野駐屯部隊が創設され、約三千名の隊員が駐屯してからは、商店街も活気を呈し、暗い街なみも改善されて来た。昭和三十五年商工会の組織等に関する法律が公布され、法に基づいて再編成をする事になった。
昭和三十五年九月、山本逸太郎、金子全一、鹿間富二、佐藤敬太郎、久保宝石、一色正三、真鍋鹿之亟、金子政三、大道久松、荻野栄多、菅野豊治、高畠正男、会田久左工門、高畠孝文、吉岡光明、赤川寅蔵、小林鉄男の発起によって上富良野商工会の設立総会を開催、二四八名の会員で発足し、初代会長には山本逸太郎が選任された。
任意団体当時は主として商工業者の親睦機関であり花見会、商工運動会、連合大売出等が主な行事であったが、法人団体として昭和三十五年十月十二日設立認可後は、零細小規模業者を対象として記帳指導をはじめ金融斡旋・税務・経営相談等、所謂今日の経営改善普及事業を基本として一般事業、地域振興事業を推進している。
近年は道補助金、町補助金の制度化によって財政基盤も確立され、指導団体として、又地域の総合経済団体として着実にその役割を果たしている。

機関誌 郷土をさぐる(第15号)
1998年3月31日印刷 1998年3月31日発行
編集・発行者 上富良野町郷土をさぐる会 会長 高橋寅吉