十勝岳の名称
上富良野(空知郡)、美瑛(上川郡)、新得(上川郡)、三町の境界に在り、標高二千m余の大活火山で石狩水系と十勝水系の水源界の稜線上にも位置する。
名称の来歴を推考
十勝岳を昔から現在まで、私が持つ資料より呼ばれていた名を一覧表にしてみた。
北海道の中央を、北から南に貫く北見山脈と日高山脈、通称学説で呼ばれる蝦夷山系。その北見山脈の南端手前で、火を噴き煙りを上げる山がある。燃え上がる火や噴煙は太古から燃え続け、いまだに絶えない。
この山を十勝岳と言い、我が町の象徴であり、幼きころから暮らしの中に溶け込んで、常に眺めてきた十勝岳は、私の心の支柱であった。
名前の経緯一覧表
製作発行年度 製作者 図名 縮尺 山名 標高その他備考 (一八九三年)
明治26年大日本帝國陸地測量部 神居古潭 二○万分の一図 十勝嶽 二一二一m (一八九四年)
明治27年北海道廰 夕張 二○万分の一圖 十勝岳 一八一二m (一九二七年)
昭和2年大日本帝國陸地測量部 旭川 二○万分の一圖 十勝岳 二〇七七m (一八九六年)
明治29年大日本帝國陸地測量部 十勝岳 五万分の一圖 十勝岳 二〇七七m (一八九六年)
明治29年北海道地圖奎暉閣・藏 全道及び千島全域 八〇万分の一圃 十勝岳 (一八六九年)
明治2年石狩國札幌本府管利藏版 北海道12ケ國86郡図 縮尺自由 トカチ岳 成田修一編蝦夷地図抄 (一八六九年)
明治2年北海道11ケ國圖 縮尺自由 トカチ岳 (一八六九年)
明治2年松浦開拓判官阿倍弘撰 北海道11ケ國86郡圖 縮尺自由 山名無記 桂洲小史書 (一八五九年)
安政六年松浦武四郎 東西蝦夷山川地理
取調圖縮尺自由 (旭川側から見た場合)
ヒヱノホリ
(十勝川から見た場合)
トカチ岳(一八五四年)
嘉永七年藤田 良 蝦夷闔輿地全圖 縮尺自由 ※請・注目トカツ岳 播磨屋勝五郎版
(佐藤輝雄記)
機関誌 郷土をさぐる(第15号)
1998年3月31日印刷 1998年3月31日発行
編集・発行者 上富良野町郷土をさぐる会 会長 高橋寅吉