編集後記
「郷土をさぐる第十五号」発刊予定の平成九年度が上富良野町開基百年に当る事から、百年の節目になる様な内容の企画をと、役員会・編集委員会・専門委員会・総会で協議をした所です。
上富良野町開基百年記念の協賛事業として、「かみふらの事始め物語」の発刊、そして第十五号別冊号として「ふるさと上富良野・昭和十一年頃の街並みと、地区の家々」を発刊する事に決定しました。
「かみふらの事始め物語」の編集は、先ず対象の大項目を設定し、それに基づいて小項目をリストアップしました。
会員全員が六班編成の専門委員となって、得意の分野を含めてリストアップした各々の項目を担当する事にし、又、会員以外にも執筆を依頼する事にしました。
しかし、会議を開催する毎にリスト項目が増加し、二百五十項目になりました。
資料収集の作業に入ると、事始めの内容となる「資料がない」、「その関係者は亡くなっている」等の大きな壁に当りました。
執筆担当者は、大変な苦労を重ねて、資料収集、古老や関係者からの聞き取り、原稿執筆、原稿校正等を続けました。
原稿内容に伴う「写真収集」も困難を極めましたが、開基百年史編纂室及び昭和十二年生れ丑年会(かみふらのふるさと写真集発刊準備中)の御協力もあって、発刊する運びとなりました。
上富良野町百年の「事始め物語」として、内容的には不十分な面は多々ある事とは存じますが、歴史の一区切として書に遺し、後世に伝承したいという「郷土をさぐる会」会員の気持を、読者の皆様に汲んでいただけたら幸いと思います。
限られた予算及び誌面ですので、リストアップをした事項で掲載できなかった原稿、物語としてもう少し書きたかった記事そして写真、資料が十分なくて書けなかった事項(例えば木工場関係)等が多々ありました。
これらについては、今後も発刊を継続する「郷土をさぐる会誌」に、「事始め物語シリーズ」として順次掲載を予定しておりますので、読者の皆様の御協力と御意見を心よりお願い申し上げます。
最後になりましたが、「郷土さぐる会編集委員長」の高橋七郎氏が平成九年十二月二十六日に御逝去されました。
高橋七郎氏は「郷土さぐる会誌第一号」から会員とし、執筆者とし、又編集者として関わっていただき、文章と共に特技の絵で誌面を飾って、読者に強い印象を与えてくれました。
多種多才の芸をもって、各分野で活躍していただくと共に、郷土さぐる会に尽くされた功労は誠に多大なものがあります。
高橋七郎氏のご逝去を心から悼み、謹しんで御冥福をお祈り申し上げます。
尚、第十五号の「かみふらの事始め物語」と共に「ふるさと上富良野昭和十一年頃の街並みと地区の家々」は別冊号として、皆様に心よりお薦めいたしますので、よろしくお願い申し上げます。
機関誌 郷土をさぐる(第15号)
1998年3月31日印刷 1998年3月31日発行
編集・発行者 上富良野町郷土をさぐる会 会長 高橋寅吉