郷土をさぐる会トップページ     第15号目次

郷土をさぐる=i第十五号)
開基100年記念号の発刊を祝して

上富良野町教育委員会 教育長 高橋英勝

明治三十年、雄峰十勝岳のふもと、富良野原野の母なる地、上富良野町に初めて開拓の鍬が下され、以来、一世紀の歩みを経て、昨年(平成九年)開基一〇〇年の記念すべき年を迎えました。
今日の美しく豊かな郷土を築くために、それぞれの歴史の中で多くの先人達が幾多の困難を克服し、努力された偉業に対し、全町民が感謝を捧げるとともに、わが町の二世紀に向け、全国に誇りうる郷土として限りなく発展することを誓い、盛大な祝賀行事が行なわれたところであります。
このたび、開基一〇〇年の記念号として、第十五号が発刊されますことを、お祝い申し上げるとともに、昭和五十六年の第一号の発刊からこれまで毎号精魂を傾けて編集発行に携れてこられた会員の皆さんのご努力と熱意に対し、心からの敬意を表したいと思います。
今日、私達を取り巻く社会情勢の変化は目覚しいものがありますが「物豊かにし、心乏しい時代」とも言われております。時代の変遷とともに、過去の偉業や、古事由来などの歴史も忘れ去られようとしています。人間が伝える話には心がこもっており、それぞれの時代がよみがえってくるものです。
わが町の開拓の歴史を回顧し、世相、出来事、逸話、秘話、など幅広い分野を会員の皆さんの手によって、大変ご苦労され収録されたことは、後世代に伝える貴重な資料であると思います。
本書が、郷士の歴史についての理解と、郷土を愛する心を育てるための一助となり、また、町民の多くの方に愛読、そして活用され、新しい歴史を築く指針となる役割を果すことを期待しております。大変ご苦労の多い仕事でありますが、これからも歴史、文化等の伝承のご尽力を下さることを切望し、会の皆さんに重ねての賛辞と、益々のご発展、ご活躍をご祈念しお祝いのことばといたします。

機関誌 郷土をさぐる(第15号)
1998年3月31日印刷 1998年3月31日発行
編集・発行者 上富良野町郷土をさぐる会 会長 高橋寅吉