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たるみ(垂水)山スキー場の思い出

島津 新関 円作(六十七歳)

私達一家が此の土地に越して来たのは、昭和七年です。私の前には垂水さんと云う人が住んでいたのです。
昭和三、四年頃から垂水山スキー場と名付けて、毎年上富良野の各学校の生徒さん達が集ってスキーを楽しんでいたのです。二月になるとスキー大会、スキーマラソン等もしていました。
大会の朝は、町長さん、助役さんも参列し君が代を歌って始められにぎやかなものでした。
昭和二十九年には、自衛隊が駐屯するようになりまして、スキーを楽しむ人が大勢になり山が黒くなるくらいでした。
自衛隊さんも九州の人が多いので、あまりスキーに乗った事がなく、足を怪我して、大変でした。
自衛隊さんが雪上車で来て、その後、かたまったら大きな車で来るので、島津の道路は今と違ってせまいので、馬橇と出合うと交わすのも大変であったように思います。
又スキー場にすると特に春の雪溶けがおくれるので困りましたが、村の人達が楽しいスキー場として親しんで下さる事を思い喜んで提供していました。
昭和三十二年には次の様な感謝状をいただき大切にしています。  
     感謝状
                  新関 円作 殿
貴殿は冬期において自衛隊のスキー訓練場提供、積極的に協力援助され部隊の練度向上に寄与された功労はまことに大なるものがあります。よってここに副賞を添えて深く感謝の意を表します。
        昭和三十二年六月十二日
        上富良野駐とん地司令 一等陸佐 小林 敬四郎

かみふ物語  昭和54年12月 2日発行
編集兼発行者 上富良野町十二年生丑年会 代表 平山 寛