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かみふらのフォト回顧二〇二四(令和六)

郷土をさぐる編集委員
田 中 正 人 (昭和二三年生)

文中敬称は省略させていただきます。

  はじめに
 二〇二四(令和六)年を振り返り、個人的主観も入っているが、「記憶に残る出来事」「記録に残す出来事」について、関係者のご協力を得て、写真を主体に置いてまとめてみた。
【一月】 大谷翔平のグローブが町内小学校三校に届く
 ロサンゼルス・ドジャースに所属する大谷翔平選手が、二〇二三年一二月から二〇二四年三月頃までに日本全国の小学校へ、一校につき三個(右利き用二個、左利き用一個)のジュニア用野球グローブを寄贈した。
 グローブには「野球しようぜ!」のメッセージが添えられていて、上富良野町には一月一一日に町教育委員会へ到着し、町内の小学校三校(上小・西小・東中小)に渡された。
【三月】 第四特科群編成完結式を敢行隊旗返納
 第四特科群は通常の師団旅団特科部隊が有する榴弾砲等よりも重火力・長射程の二〇三o砲や多連装ロケットシステムなどを運用する重砲部隊である。
 一九五六(昭和三一)年に新編され、最大で四個大隊を編成していたが、時代の変化により、部隊廃止、装備変更を行ってきた。しかし、北方重視から西方重視、重砲から長距離射程ミサイルへの転換等を受け、二〇二四(令和六)年三月二〇日に廃止となった。
 翌日三月二一日、陸上自衛隊は上富良野駐屯地において、多くの来賓を交え、緊張した空気の中、編成完結式が挙行された。新たに編成配属されたのは、旭川第二特科連隊第四大隊である。
【三〜四月】 上富良野神社
    生出明臣宮司が引退(三月末)
    後任に板谷之敬宮司就任(四月初頭)
 富良野神社は一九〇二(明治三五)年の創祀。富良野村分村に伴い一九〇三(明治三六)年、上富良野神社となる。
 初代宮司は生出柳治、二代生出宗明、三代目生出邦子。生出明臣は四代目に当たり、一九七五(昭和五〇)年三月から宮司に就任していた。
 二〇二四(令和六)年三月末で生出明臣宮司が引退し、後任には板谷之敬(いたやゆきよし)宮司が就任した。氏は平成元年仁木町に生まれ、二〇一〇(平成二二)年三月東京國學院大學卒業後、上川神社に一三年勤める。国の重要無形文化財「松前神楽」の舞い手でもある。
【三月】 少林寺拳法女子団体演武で富良野高校が三年連続四度目の優勝
 全国高校選抜少林寺拳法・最終日が三月二四日、香川・善通寺市民体育館で行われ、女子団体演武で富良野高校が三年連続四度目の優勝を飾った。富良野高校は、昨夏の高校総体における同種目も制しており、三期連続の全国制覇になった。上富良野から通学の柳川結菜、佐々木利乃、関口彩花、濱野結夏の四名が優勝の原動力となった。同校の活躍で北海道が「女子最優秀都道府県賞」も受賞した。
 富良野高校少林寺拳法部は一九七八(昭和五三)年に同好会として発足、七九年に部に昇格。九八年にいったん廃部となったが、二〇一四年に青木部長が着任し復活。全国高校選抜女子団体演武では一九、二二、二三、二四年に優勝。高校総体同種目では一九年に初V、二三年に二度目の優勝をしている。
【四月】 こどもセンター落成
 町では、みんなが元気になる「健康・福祉のまち」をめざして、「こども計画(第三期子ども・子育て支援事業計画、子ども貧困対策計画、子ども・若者計画、次世代育成支援行動計画を含む)」を策定することになっている。
 新しくできた「こどもセンター」には、保健福祉総合センターかみんから移転した保健福祉課子育て支援班と子育て支援拠点事業、発達支援事業を実施する保健福祉課こども未来班を配置し、誰もが気軽に利用でき、相談・支援の窓口としてワンストップ化が行われる。
【四月】 上富良野産酒米百%の純米吟醸酒が誕生
 上富良野は、一九二六(大正一五)年の活火山十勝岳の大噴火で発生した融雪泥流により、多数の死傷者と農地など生活の根底を破壊する被害を受けた。しかし、多くの支援を受けながら、不毛の地からの復旧に向けた不断の努力の結果、現在の美田によみがえってきた。この土地で生産された酒米「きたしずく」を一〇〇%使用して「純米吟醸 十勝岳 泥流地」」が誕生した。
 販売は「一八〇〇ミリリットル」と「七二〇ミリリットル」瓶詰で、ラベル文字は毎日書道展審査会員でもある書家・吉田久実子(東京都調布市在住、大正泥流災害時吉田貞次郎村長の孫)が揮毫した。小説「泥流地帯」にも描かれた十勝岳噴火災害当時の吉田貞次郎村長は、「奇跡の復興」を推進した。「ふるさと納税」の返礼品に加えられている。
【六月】上富良野ライオンズクラブが結成六〇年
 一九六四(昭和四三)年五月、富良野ライオンズクラブのスポンサーで誕生。佐々木誠現会長のもと、結成六〇周年記念地域貢献事業として、二月に上富良野中学校へ金管楽器のチューバ一台、町内小学校三校に楽器やミシンなどを寄贈。三月には富良野地方法人会上富良野支部(北川昭雄支部長)と合同で、セントラルプラザ集会室の緞帳一式が寄贈された。
【七月】 ラベンダーフェスタかみふらの二〇二四
 夏を彩ってきた『かみふらの花と炎の四季彩まつり』は新型コロナウイルス蔓延の影響で、二〇一九(令和元)年七月十四日開催の第四十一回が最後になった。二〇二〇(令和二)年はコロナウィルス対策として、公園山頂からのライブ配信が行われた。この好評を受けて二〇二一(令和三)年からは『ラベンダーフェスタかみふらの』として、ラベンダー畑の風景と夜のライトアップ映像のライブ配信の形で開催されてきた。
 二〇二四(令和六)年は、七月一三日(土)から二一日(日)まで開催され、期間中は延べ約四万五千人が来場した。二一日には最高気温三五℃の猛暑の中、二万人を超える町民、観光客で賑わった。
【七月】「かみふらの童謡フェステバル二〇二四」開かれる
 いろいろな歌のジャンルがある中で幼児から高齢者まで、すべての世代で歌われるのは童謡だ。
 福井県の著名な企画プランナーの吉田ときお、童謡に関する著書を多数出版している合田道人(日本歌手協会理事長)の提案で、「かみふらの童謡フェスティバル二〇二四」が一年半の準備の末、二〇二四(令和六)年七月、ようやく開催にこぎつけた。
 一日目はかみふらの童謡フェスティバル合唱団とのコラボで「合田道人・童謡の謎コンサート」、二日目は町内「全小学児童の童謡の時間講義」、三日目は幼稚園児年長組の「合田道人といっしょに童謡」だった。中高生は学校行事等のため参加できなかったが、結果は大好評で盛会裏のうちに終了した。
【八月】 ふるさと納税額が過去最高
 ふるさと納税は、二〇〇八(平成二〇)年度税制改正により当年五月から導入された制度。自分の選んだ自治体に寄附(ふるさと納税)を行った場合に、寄附額のうち二千円を越える部分について、所得税と住民税から原則として全額(上限あり)が控除される。寄付先の自治体から返礼品が贈られることで、各自治体での取り組みが過熱気味となったため、制度の改正や運用の見直しを経て、現在に至っている。
 町では、当初は制度活用に盛り上がりが欠けていたが、無視できない流れの中で積極策に転換し、魅力ある返礼品の開発やPR展開を図ってきた。
 この努力が花開き、二〇二四(令和五)年度のふるさと納税額が過去最高となった。実績と活用事業は下図の通り。
【九月】 東中清流太鼓が結成三〇年
 東中地域を流れるべべルイ川にも似た「清い心が子供たちに宿る」ことを願って、東中小学校の伝統学校文化として、一九九二(平成四)年に保存会が発足した。
 一九九四(平成六)年には、当時教頭を務めた斎藤先生によりオリジナル演奏曲が完成し、学校行事や地域のイベントで披露するようになった。
 四〜六年生が奏者を務め、毎年一一月に代替わりして、上級生が後輩児童を指導する形で引き継がれてきたものだ。
 二〇〇二(平成一四)年上富良野町表彰式において、文化奨励賞が授与されている。
【九月】 上富良野社会教育総合センター内壁タイル改修工事
 二〇二四(令和五)年六月に、社教センターアリーナ二階入口上部壁面タイルの一部が落下。緊急で社会教育総合センターコミュニティセンターの内壁を全て撤去しモルタル塗布、塗装仕上げをする工事が施工された。

 工事期間  八月一日〜一月三一日
 落札会社  (株)佐川建設
 契約金額  三一三五万円
【一〇月】 上富良野中学校一四年振りの東日本吹奏楽大会で銅賞受賞
詳細は本誌『上富良野中学校吹奏楽部の歩み』をご覧ください。
【一一月】上富良野中学校吹奏楽部が教育委員会文化奨励賞を受賞
 町の表彰式の上富良野町教育委員会表彰では、文化功労賞に北島包子、中村有秀の二人、文化奨励賞に上富良野中学校吹奏楽部の他七人、スポーツ賞に少林寺拳法高等学校大会で成績を収めた柳川結菜・佐々木利菜・関口彩花・濱野結夏の四人、空手・少林寺拳法・クロスカントリー・バスケットボール・卓球・陸上リレー・陸上ハンマー投げ・ラグビーフットボール・銃剣道の各競技一一人にスポーツ奨励賞が授与された。
【一一月】 上富良野町長選三三年振り斉藤繁無投票当選
 一一月二六日に告示された上富良野町長選は、現職の斉藤繁(五七)以外の立候補がなく、二期目は無投票当選となった。
 これまで選挙戦が八回続いていたが、一九九一(平成三)年酒匂佑一の三期目当選以来、三三年ぶりに無投票となった。
  あとがき
 昨二〇二三(令和五)年のまとめとして「スクラップ上富良野」と題し、新聞切り抜きを毎年掲載する予定であった。後世への記録のため、主な出来事を列挙しておく。一月にダンプと車が衝突し外国人親子が死亡、二人が怪我をした事故が発生。上富良野町で二〇〇九(平成二一)年から続いていた交通死亡事故ゼロは四七七四日(一三年)でストップした。
 五月コロナが五類平時対応に。八月には上富良野町議選挙が実施され、中澤良隆が議長に。九月には「ツールド北海道二〇二三」で選手が車と衝突して事故死。一〇月郷土をさぐる誌全号を国立図書館に納本。一一月向山富夫前町長に名誉町民称号授与などなど、様々な切り抜きを掲載する予定でいた。
 記事の掲載に当たり新聞社に問い合わせると著作権が発生し、使用する場合は料金が発生する事がわかる。加えて死亡記事の掲載は禁止しているとの事から、切り抜き掲載は多額の費用が必要となり断念した経緯がある。
 今年は、上富良野町の協力を得て『フォト回顧 二〇二四』として掲載する事とした。説明は、はじまり等起源の説明を加えたものもあるが、できるだけコンパクトに留めている。
≪写真提供及び協力≫
■大谷翔平のグローブが町内小学校三校に届く〜上富良野町
■第四特科群編成完結式〜防衛日報(日刊紙)デジタル版・上富良野陸上自衛隊広報許諾済み
■上富良野神社記事〜独自取材
■少林寺拳法女子団体演武で富良野高校が三年連続四度目の優勝〜二〇二四年三月二五日スポーツ報知号外
■かみふらの童謡フェスティバル二〇二四〜和田昭彦・上富良野町
■こどもセンター落成〜上富良野町
■上富良野産酒米百%の純米吟醸酒が誕生〜上富良野町
■上富良野ライオンズクラブが結成六十年〜上富良野町
■ラベンダーフェスタかみふらの二〇二四〜上富良野町
■東中清流太鼓が結成三〇年〜上富良野町
■ふるさと納税額が過去最高〜上富良野町
■上富良野中学校吹奏楽部一四年振りの東日本吹奏楽大会で銀賞受賞〜朝日新聞号外・上富良野中学校
■上富良野中学校吹奏楽部が教育委員会文化奨励賞を受賞〜上富良野町
■上富良野町長選三三年振り斉藤繁無投票当選〜NHKオンライン

機関誌      郷土をさぐる(第42号)
2025年3月31日印刷      2025年4月1日発行
編集・発行者 上富良野町郷土をさぐる会 会長 和田昭彦