=上富良野町郷土をさぐる会誌=
『第四十号』の発刊について
上富良野町郷土をさぐる会 会長 中 村 有 秀
一九八〇(昭和五十五)年十二月十六日に、郷土史に関心を持つ有志が集い、「上富良野町郷土をさぐる会」が設立され、初代会長に金子全一氏が就任されました。
その翌年の一九八一(昭和五十六)年十月十日に、当会機関誌である「かみふらの郷土をさぐる」の記念すべき第一号が発刊となりました。
一八九七(明治三十)年の開拓以来、先人の方々の「苦難・苦労・努力・事象」等について、初代会長 金子全一氏、二代会長 高橋寅吉氏、三代会長 菅野 稔氏、四代会長 成田政一氏、そして五代目会長の私中村へと引き継がれ、「郷土をさぐる」が号を重ねて第四十号の発刊となりました。
このような活動趣旨で長年に引き続くものは、他の市町村では類例の少ないものであり、当会の設立時から参画していた一人として、まことに感慨深いものがあります。
これは偏(ひとえ)に、上富良野町及び上富良野町教育委員会のご指導とご支援、並びに当会歴代役員・会員・編集委員・執筆寄稿された方々、そして賛助会員としてご支援くださいました方々、長い間読者としてご協力いただいた皆々様に感謝し、心より厚くお礼申し上げます。
「郷土をさぐる会」の設立から四十三年を迎えました。その間、機関誌「郷土をさぐる」の第四十号までの発刊の他に、企画事業として次の刊行物を発刊してきました。
・明治四十二年発行「上富良野志」の復刻版(分村前の中富良野を含む)
・郷土をさぐる第十五号別冊「昭和十一年頃の町並みと地区の家々」
・「上富良野村史原稿」の復刻版(昭和十八年執筆、終戦により未発刊)
・「かみふらの一一五年 歴史年表」
・やまと生きる「十勝岳」〜噴火泥流災害九十年誌
・戦没者慰霊「忠魂碑」
各誌発刊の詳細については、巻末記事として掲載の「郷土をさぐる会のあゆみ」をご覧ください。
また右記の刊行物は、上富良野町図書館「ふれんど」の郷土史関係書架に収蔵されていますので、ご閲覧ください。
小説「泥流地帯」の映画化は、紆余曲折を経た結果、制作会社の事情により連携協定が解消されました。町では新たな対策で検討を進めていますので、「映画化を進める会」の構成団体として変らずに支援協力を行います。
歴代役員から引き継がれている『歴史は続いているのだから―郷土をさぐる会誌―の発刊を続けよう』の合言葉が心に沁みておりますが、活動財源の担い手である会員・賛助会員の物故減少、加えて物価増高による出版経費の増大により厳しい運営経理下にあり、前途悩ましい事情も気がかりであります。
今後も、郷土をさぐる会の趣旨を戴し、町の歴史・伝統・生活・出来事・逸話などを後世に伝え、まちづくりにお役立ちできるよう努めてまいりますので、皆様の尚一層のご指導とご支援を賜りますようお願い申し上げ、第四十号発刊のご挨拶といたします。
機関誌 郷土をさぐる(第40号)
2023年3月31日印刷 2023年4月1日発行
編集・発行者 上富良野町郷土をさぐる会 会長 中村有秀