上富良野町における新型コロナウイルスとその影響
田中 正人 昭和二十三年生(七十三歳)
プロローグ
二〇一九(令和元)年十二月八日、中国の湖北省武漢市で原因不明の肺炎患者が初めて報告され、その原因が新種のコロナウイルスと特定されたのが、二〇二〇(令和二)年一月七日の事であった。
厚生労働省は一月十六日、武漢市に滞在し、日本に帰国した神奈川県在住の三十代の男性から新型コロナウイルス(以下コロナ又は新型コロナ)が検出され、日本国内で初めて新型肺炎患者の発生が確認された。
以後、毎日のように感染者が判明する事となり、日本政府は感染拡大阻止に向け対策本部を立ち上げた(一月三十日)。
武漢市より観光で訪れていた四十代女性が北海道での一例目で、発生したのが一月二十八日の事。
その後、北海道は都道府県で感染者も最多となり、鈴木直道北海道知事が緊急事態宣言。小中高校の全道一斉休校を要請、重点対策地域の指定など、全国に先駆けて「二月二十八日(金)から三月十九日(木)まで週末の不要不急の外出を控えて」と訴えた。
その後、上富良野町でも感染事例があった事から将来に語り継ぐ事も大切と思い簡略ではあるがこの一年の出来事を書き記す。
近隣町村でのコロナウイルスの感染
二月二十一日、中富良野小学校では児童二人の感染を確認。その日のうちに保護者の説明会開催並びに三月三日までの臨時休校の措置を講じた。校舎の消毒は休校期間に実施した。
兄弟二人は二月十五日と十八日にそれぞれ三十七度七分の発熱が見られ入院。二十一日新型コロナウイルスへの感染が確認された。(北海道七、八例目)
北海道二十一例目は美瑛町の消防士が感染。経過は、二月十八日に発熱(三九・三℃)、咳症状、咽頭痛、管内医療機関A受診。二月十九日発熱(三八・一℃)、症状継続のため管内医療機関B受診、三月二十三日、道立衛生研究所において、新型コロナウイルスの検査を実施したところ、陽性と判明し入院している。身近な所でコロナが発生し、危機感を持った出来事であった。感染拡大が広がると共にマスクや消毒液が店頭から姿を消したのもこの頃。
北海道の警戒ステージと学校の行動基準 R2.11.5 上富良野町教育委員会作成 北海道の警戒ステージ 学校の行動基準 警戒レベル 内容 警戒レベル 身体的距離の確保 感染リスクの高い教科活動 部活動 ステージ1 感染者が散発的に発生しており、医療提供体制に大きな支障がない段階
感染防止策の徹底などの注意喚起レベル1 1mを目安に学級内で最大限の間隔を取る。 適切な感染対策を行った上で実施 十分な感染対策をした上で実施 ステージ2 感染者の漸増及び医療提供体制への負荷が蓄積する段階
三密を回避できない会合の自粛や出勤抑制の要請などレベル2 できるだけ2m程度(最低1m) 〈収束局面〉
リスクの低い活動から徐々に実施
〈拡大局面〉
リスクの高い活動を停止リスクの低い活動から徐々に実施し、教師等が活動状況の確認を徹底 ステージ3 感染者がさらに増加し、医療提供体制への負荷がより一層高まる段階
不要不急の外出自粛要請などステージ4 感染者の急増及び医療提供体制における大きな支障の発生を避けるための対応が必要な段階
感染防止策を講じていない一部施設への休業要請などレベル3 できるだけ2m程度(最低1m) 行わない 個人や少人数でのリスクの低い活動で短時間での活動に限定 ステージ5 爆発的な感染拡大及び深刻な医療提供体制の機能不全を避けるための対応が必要な段階
休業要請やイベント自粛要請など
十勝岳ハイヤーの集団感染(クラスター)
恐れていた町内で初めての新型コロナウイルス感染が四月十四日、中町の十勝岳ハイヤー(社長宮下吉勝)で発生した。同社は九日に判明者した感染(北海道二一六例目、重症、後に死亡)に起因する感染者の濃厚接触者として、その日から休業措置を講じていたが、社長と社員も相次ぎ集団感染(クラスター)したことにより会社名を公表した。社長をはじめ職員は指定された医療機関に入院。会社は無期限臨時休業の措置を講じ、テレビは全国放送。新聞各紙にも大きく報道された。町民からは、会社名を公表した勇気ある行動に賞賛、激励の声が多くあった。
クラスターとなった七名の症状は表に示した。(北海道保健福祉部地域保健課発表)
社長はじめ社員の入院は完全隔離で、面会禁止。社長の病状は症例番号二九六の通りであったが、入院後に三十九度の発熱、「呼吸も苦しくなり食事も喉を通らず、水ばかり飲んでいた」、また「動き回ることも出来ず苦痛であった」と語る。
入院時に一人だけ感染しなかった社員に、休業の補償をはじめ営業再会に向けた指示を、病室から託す日々を送った。
病院内は厳重に管理され、退院時の持ち物は焼却処分の為持ち出す事は原則厳禁。消毒薬にまみれての退院であった。新型コロナウイルス感染症は国の指定感染症のため、医療費は公費負担で自己負担はない。
一ヶ月自宅で療養自粛し、六月八日十勝岳ハイヤーの営業を再開。会社内は無論、徹底した車内の消毒、ビニールシート隔離措置とコロナ対策を講じた。資金面では年間売上げが半減した企業が対象となる経済産業省の持続化給付金と、ハローワークが定める失業保険の適用を受け約二ヶ月振りに営業再開した。
北海道新聞各地方版四月十六日の十勝岳ハイヤー七人感染記事、七人の症状と経過表、十勝岳ハイヤーの好意により給付金受給の一覧を次ページから掲載する。
症例 | 年代 40代 | 性別 男性 | 国籍 日本 | |
216 | 居住地 | 上川総合振興局管内 | 職業 会社員 | |
症状・経過 | 4/?1 発熱(38.0℃)、呼吸苦、鼻汁 4/?2〜3発熱(37.5℃)、呼吸苦、 鼻汁 4/?4〜7発熱(37.0〜37.5℃)、呼吸困難、鼻汁 4/?8 管内指定医療機関A受診 ・道において、検査を実施したところ、陽性と判明 管内指定医療機関Bに入院(重症) |
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行動・滞在歴 | 海外渡航歴なし。行動歴及び濃厚接触者につい.ては、現在調査中。 | |||
症例 | 年代 50代 | 性別 男性 | 国籍 日本 | |
273 | 居住地 | 上川総合振興局管内(中富良野町) | 職 業 会社員(タクシー乗務員) | |
症状・経過 | 4/10〜 味覚障害・嗅覚障害 4/10 管内指定医療機関A受診 4/13 道において、検査を実施したところ、陽性と判明 4/14 管内指定医療機関Bに入院(軽症・会話可) |
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行動・滞在歴 | 海外渡航歴なし。行動歴及び濃厚接触者については、現在調査中。 道内216例目の患者の濃厚接触者。 |
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症例 | 年代 60代 | 性別 男性 | 国籍 日本 | |
274 | 居住地 | 上川総合振興局管内(上富良野町) | 職 業 会社員(タクシー乗務員) | |
症状・経過 | 4/12 発熱(38.0℃) 4/13 発熱(37.8℃) 管内指定医療機関A受診 道において、検査を実施したところ、陽性と判明 4/14 管内指定医療機関Bに入院(軽症・会話可) |
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行動・滞在歴 | 海外渡航歴なし。行動歴及び濃厚接触者については、現在調査中。 道内216例目の患者の濃厚接触者。 |
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症例 | 年代 60代 | 性別 男性 | 国籍 日本 | |
275 | 居住地 | 上川総合振興局管内(上富良野町) | 職 業 会社員(タクシー乗務員) | |
症状・経過 | 4/10〜発熱(37.1〜38.7(C)、鼻汁・鼻閉、咽頭痛 4/13 管内指定医療機関A受診 道において、検査を実施したところ、陽性と判明 4/14 管内指定医療機関Bに入院(軽症・会話可) |
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行動・滞在歴 | 海外渡航歴なし。行動歴及び濃厚接触者については、現在調査中。 道内216例目の患者の濃厚接触者。 |
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症例 | 年代 70代 | 性別 男性 | 国籍 日本 | |
276 | 居住地 | 上川総合振興局管内(上富良野町) | 職業 会社員(タクシー乗務員) | |
症状・経過 | 4/10〜発熱(37.3〜38.6(C) 4/12〜全身倦怠感 4/13〜呼吸困難、鼻汁・鼻閉 管内指定医療機関A受診 道において、検査を実施したところ、陽性と判明 4/14 管内指定医療機関Bに入院(軽症・会話可) |
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行動・滞在歴 | 海外渡航歴なし。行動歴及び濃厚接触者については、現在調査中。 道内216例目の患者の濃厚接触者。 |
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症例 | 年代 60代 | 性別 男性 | 国籍 日本 | |
295 | 居住地 | 上川総合振興局管内(上富良野町) | 職 業会社員(タクシー乗務員) | |
症状・経過 | 4/13 発熱(37.4℃)、倦怠感 4/14 発熱(37.5℃)、倦怠感 管内指定医療機関A受診 4/15 道において、検査を実施したところ、陽性と判明 管内指定医療機関Bに入院(軽症・会話可) |
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行動・滞在歴 | 海外渡航歴なし。行動歴及び濃厚接触者については、現在調査中。 道内216例目の患者の濃厚接触者。 |
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症例 | 年代 70代 | 性別 男性 | 国籍 日本 | |
296 | 居住地 | 上川総合振興局管内(上富良野町) | 職 業会社社長(タクシー会社) | |
症状・経過 | 4/14 管内指定医療機関A受診 4/15 道において、検査を実施したところ、陽性と判明 管内指定医療機関Bに入院(軽症・会話可) |
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行動・滞在歴 | 海外渡航歴なし。行動歴及び濃厚接触者については、現在調査中。 道内275例目の患者の濃厚接触者。 |
給付日 | 給付先 | 金額(円) | 備考 |
5月27日 | 国 経済産業省 | 2,000,000 | 持続化給付金 |
6月 9日 | 上富良野町 | 200,000 | 特別定額給付金(2名分) |
7月 3日 | 北海道 | 50,000 | 経営持続化特別支援金B |
7月31日 | 北海道ハイヤー協会 | 250,000 | コロナ対策費 |
4月 5日 | 644,881 | 雇用安定給付金(2名分) | |
合計 | 3,144,881 |
掲載省略:新聞記事〜北海道新聞富良野版(十勝岳ハイヤー感染記事)
掲載省略:新聞記事〜北海道新聞(道内新型コロナ感染者年間推移)
掲載省略:新聞記事〜北海道新聞(2020.05.19 新型コロナウイルス特集記事)
学校・各種団体等の対応
二月二十八日、北海道知事の緊急事態宣言往来自粛要請を受け、上富良野高校の卒業式は三月一日、簡素化して開催された。式辞・祝辞は文書配布、卒業証書授与は代表者のみ、来賓、一・二年生は参加しない形での開催であった。
小中学校は二月二十七日から三月四日まで一斉臨時休校、続いて四月二十日から五月末まで臨時休業を行った。学校行事については、運動会、体育大会の実施時期と内容を変更し、保護者の参加を制限し八月末から九月上旬に実施した。修学旅行は時期と行き先の変更、密を避けるためバスの使用台数を増便して実施された。上富良野小と西小の学芸会は中止された。
その他、多くの各種団体の総会は、書面審議で議決する方策や、飲食を伴わない形で実施、時間短縮等の工夫で行われた。
郷土をさぐる会でも総会の案内をしていたものの、中止を決め役員改選を含む議案を書面議決とした。なお、郷土をさぐる誌三十七号の配本も、頃合いを伺いながら遅れての配布となった。
上富良野町立病院は例え肉親夫婦であっても原則面会禁止。ラベンダーハイツでも同様の措置を講じている。
上富良野神社では恒例となっていた上富良野神社祭など一連の行事を中止。
葬儀の形も四月以降は、玄関先の焼香となり、密集する形での葬儀は姿を消した。
町の公共施設や白銀荘は四月二十五日以降利用制限をかけ五月二十五日(月)で終了させている。
上富良野町総合文化祭の開催
ほとんどの大きなイベント・行事・会合が中止となる中で、六月になって公共施設の利用が緩和されたことから、上富良野町文化連盟では急遽役員会を開き、上富良野の文化の灯をすぼませないために「文化祭」は何としても開催しようと話し合い、代表者会議で同意が得られた。
そこで教育委員会に申し入れをし、何度か協議を経てこれまで社会教育総合センターのみで開催していたのを、「三密」にならない様に、公民館・かみん・社会教育総合センターの三会場に分散し、感染対策を厳重に講じて開催することにこぎ着けた。
◎社会教育総合センター会場 ・小さな音楽会 ・町民コンサート ・芸能発表 ・上富良野高校朗読劇 ・書道体験コーナー ・潟}ツオ寄贈美術品展示
・後藤純男美術館特別展示 ・フリーマーケット ・軽トラ市◎公民館会場 ・総合展示 ・中谷宇吉郎生誕一二〇年記念特別展 ◎かみん会場 ・表彰式 ・少年の主張発表
しかし、時期が迫っての「警戒ステージ」次第では、中止もあり得るとの条件付きであった。ちなみに近隣市町村では、ほとんどが中止となっていた。
三カ月余りの活動休止があったために、十分な準備・発表が出来なかった団体もあったが、四日間の開催で前年以上の来館者があり、何事もなく無事終了することができた。
近隣市町村では中止の判断が相次ぐ中で、参加者・運営者相互の周到な準備と対策を講じながら、文化祭を開催することが出来たことは、教育委員会の並々ならぬ配慮と指導があったからであった。
農業・商工業などの影響
(一) JAふらの
JAふらのでは四月十四日に中富良野米穀施設に勤務する職員が感染。施設等の視察を中止している。
マスクを着用しての農作業にも戸惑う姿が見てとれた。
六月、管内の住民を元気づけようとJAふらのは新型コロナ克服支援として玉葱(世帯当たり一s)の無償配布を実施。上富良野では六日から十日迄、役場等で配布された。
農産物の収穫に於いては天候に恵まれた事から豊作基調。上川支庁の米の十a当たり収量は(網目一・七〇o)六〇七s。秋まき小麦は五三六s。米麦の影響は少ない。
掲載省略:写真〜カメラ見て歩き 町広報6月6日
(二) 観光 飲食店
かみふらの十勝岳観光協会主催の十勝岳安全祈願祭は六月十九日に行われたが、山開きは中止となった。
新型コロナウイルスの影響で外出を控える人が多い中、転勤移動に伴う宴会など予約のキャンセルが相次ぎ飲食店は厳しい経営状況となった。観光協会はその応援するために「おうちでグルメ上富良野」と題して三回の広告を作成、第一弾を三月十二日(木)に新聞折り込で町内に配布した。
プラザトミヤマもオードブル、巻物盛合わせなどご予約くださいとこのキャンペーンに参加していたが、三月から四月にかけて予約のキャンセルが相次ぎ、売り上げが九割も減少した事からこれ以上の営業を続けることが困難と判断し、創業六十四年の歴史に幕を下ろした。
「おうちでグルメ上富良野」第二弾はGoToトラベルを併用出来る「かみふらの宿泊超割」「かみふらの宿泊町民割」を実施した(GoToトラベル)が、事業利用が全国一斉の一時停止に伴う措置により、十二月二十八日〇時から令和三年一月十一日二十四時までに宿泊施設を利用するものについては適用が停止された。(この後、政府は停止期間を令和三年六月末まで延長する方針が示したが、事実上制度は凍結状態)
深山峠にアートパークを展開するアラタ工業(社員)は今期四月から営業予定でいたがコロナの影響で七月から五ヶ月間営業し、十二月から令和三月末までの冬季休業を決断している。カミホロ荘は十月七日?令和三年六月十八日まで休館。カラオケカフェ「リュウ」も十二月末をもって閉店している。
掲載省略:写真〜おうちでグルメチラシ
掲載省略:写真〜上富良野版GoToトラベルチラシ
掲載省略:新聞記事〜北海道新聞富良野版(2020.06.05「プラザトミヤマ廃業記事」)
新型コロナウイルス感染症〜町の対応と主な支援制度
中富良野町でコロナウイルスが発生したことから二月二十四日上富良野町に対策本部を設置し、三月二日から十五日まで図書館など公共施設八カ所の利用中止を決めている。
四月十四日、十勝岳ハイヤーの集団感染を受けて町は、第十回目の対策会議を開き防災無線で町民に周知した。また、道と連携する形で対策会議を開催し、その都度防災無線で注意を促した。
施策として国は新型コロナウイルス対策を支援する地方創生臨時交付金の配分を決定。一次分が八九〇〇万円。二次分が二億五四〇〇万円。上富良野町に配分された。
特別定額給付金は四月二十七日時点で住民登録のある方に対し、一人あたり十万円を給付。対象者一〇五〇四人。執行率九九%超。ほぼすべての町民に行き渡った事になる。
担当課 | 事業名 | 事業費 | 臨時交付金 既充当額 |
臨時交付金 充当予定額 |
|
1 | 町立病院 | 町立病院会計繰出 | 818 | 0 | 0 |
2 | 企画商工観光課 | 経営環境対応特別融資資金利子等補給 | 6,000 | 6,000 | 0 |
3 | 企画商工観光課 | 中小企業経営継続奨励助成 | 55,000 | 55,000 | 0 |
4 | 企画商工観光課 | おうちでグルメ上富良野 | 14,530 | 14,530 | 0 |
5 | 企画商工観光課 | プレミアム付き商品券発行 | 70,200 | 70,200 | 0 |
6 | 教育振興課 | 図書館蔵書用消毒・滅菌機器購入 | 1,144 | 1,144 | 0 |
7 | 教育振興課 | 学校備品等整備 | 714 | 714 | 0 |
8 | 総務課 | 指定避難所感染防止対策資材整備 | 18,812 | 18,812 | 0 |
9 | 企画商工観光課 | 町内宿泊施設利用促進 | 55,550 | 55,550 | 0 |
10 | 教育振興課 | 情報教育機器整備(GIGAスクール) | 55,535 | 31,505 | 0 |
11 | 教育振興課 | 中学校プロジェクター等 | 302 | 0 | 0 |
12 | 総務課 | 新生児特別定額給付金事業 | 6,000 | 6,000 | 0 |
13 | 保健福祉課 | 障害福祉・介護サービス事業所環境整備 | 1,100 | 1,100 | 0 |
14 | 保健福祉課 | 子育て世帯応援事業 | 16,332 | 16,332 | 0 |
15 | 保健福祉課 | 子育て支援従事者応援給付事業 | 1,380 | 1,380 | 0 |
16 | 企画商工観光課 | 経営持続及び新スタイル導入促進事業 | 9,900 | 9,900 | 0 |
17 | 企画商工観光課 | 商工業者持続化事業補助(拡大) | 12,800 | 12,800 | 0 |
18 | 教育振興課 | 学校保健特別対策事業 | 8,974 | 0 | 0 |
19 | 町立病院 | 感染症予防等作業手当 | 3,600 | 3,600 | 0 |
20 | 総務課 | 高度無線環境整備推進事業 | 462,000 | 20,000 | 0 |
10月補正までの合計 | 800,691 | 324,567 | 0 | ||
今後補正予定 | |||||
担当課 | 事業名 | 事業費 | 臨時交付金 既充当額 |
臨時交付金 充当予定額 |
|
21 | 消 防 | 救急活動感染症予防資器材整備事業 | 3,499 | 0 | 3,499 |
22 | 企画商工観光課 | 地域経済回復支援事業 | 15,470 | 0 | 15,470 |
合 計 | 18,969 | 0 | 18,969 | ||
総 合 計 | 819,660 | 324,567 | 18,969 | ||
臨時交付金 1次配分 89,519千円+2次配分254,017=343,536千円 | 343,536 |
台湾への出産里帰り
町内在住の原夫婦は国際結婚をしている。妻の実家台湾に出産のため二〇一九(令和元)年九月に単身帰省し翌月双子の男子を無事出産した。
令和二年一月上旬、原さんは子供に逢うために友人らと共に台湾に渡航し我が子と初対面後帰国。妻と幼子は台湾に残ったままとなっていた。
その数日後、台湾では中国・武漢市から一月二十日に台湾に戻った女性が、感染していたと発表され、台湾での出入国の禁止措置が講じられ、厳しい制約を受ける事になった。
規制が緩和された十一月。台湾からの出国が可能となった事から、出迎えに向かった原さんと約一年ぶりに羽田で合流、妻と我が子との再会を果たした。
妻は、日本入国時の二週間待機の制約により、原さんと共にホテルに滞在後上富良野に帰郷した。幼子はすでに歩く様になっていた。
(注)台湾での特別人境許可については令和二年二月十九日以降、人道的配慮や中央目的事業所管機関から許可を得た人、台湾人や台湾に居住する外国人の配偶者や未成年の子女など一部に限定され厳しい措置を講じた。
町で実施されている新生児特別定額給付金は令和二年四月二十八日から令和三年三月末日までに生まれた新生児に対して、一人あたり十万円が給付されるが、これから生まれる子に手厚く、直近に生まれている子に対しては支給されない矛盾もある。
現在原夫婦は南町に新居を構え、新たな歩みを踏み出した。
町長選挙
任期満了に伴う上富良野町長選挙が十一月二十九日に行われた。
出馬届け出順に斉藤繁(五三)町役場OB四月に退職、一色美秀(七五)三回目の町長選に挑戦、向山富夫町長の後継者として町役場を九月に退職した辻剛(五八)、佐川泰正(六七) 商工会会長の新人四氏が立候補した。
新型コロナウイルスの道内感染があとを絶たず、感染防止のために使い捨ての鉛筆を使用し、期日前投票場を二カ所設置する等の措置を講じた。
十一月二十三日、JAふらの青年部上富良野支部や町商工会青年部、こどもサポートふらのなど町内六団体でつくる実行委員会(共同代表戸田弘)の主催で町長選挙立候補予定者の 討論会を初開催。無観客によるユーチーブでライブ配信され、立候補四氏による政策の違いを訴えた。新しい情報伝達とリモートによる視聴は?
生活習慣が大きく変わった出来事であった。選挙結果は表の通り。
候補者別得票数 当 選 斉藤 繁 2,175票 辻 剛 1,865票 一色 美秀 1,651票 佐川 泰正 934票 無 効 票 56票
有権者数 投票者数 投票率 合計 8,887人 6,681人 75.18% 男 4,521人 3,351人 74.12% 女 4,366人 3,330人 76.27%
斉藤新町長は、最も早く出馬を表明、若さと住みやすい町づくりを目指すと訴え、幅広く支持を集め初当選した。
落選した辻氏は出馬の出遅れ。一色氏は高齢と佐川氏との商工会票の分散が響き、得票がそれぞれ伸び悩んだ。佐川氏は平成二十四年から続けていた商工会長を辞任、後任には鎌田孝徳氏が令和三年一月二十三日付で正式に就任した。候補の乱立と組織票に頼る選挙の活動状況が一変した選挙となった。
なお、九月三十日をもって佐川典子議員が町議会議員を辞職。補欠選挙に北條隆男元町議(六五)が立候補し、無投票で再選を果たした。
掲載省略:新聞記事〜2020.11.24 北海道新聞 道北版(旭川・上川)〜出馬予定4氏 ライブ配信で討論
掲載省略:新聞記事〜2020.11.30 北海道新聞 道北版〜選挙結果報道
北の大文字
十勝岳の安全と地域の発展を祈願して多くの人でにぎわう大晦日から元旦にかけて行われている一大イベント「北の大文字」も大きく様変わりをした。
三十三回北の大文字(令和元年十二月三十一日〜令二年一月一日)は、NHK「いく年くる年」の番組で全国放映され、コロナ騒動もなく、大雪の舞う中で演奏する郷土芸能「安政太鼓」のバチさばきが印象的であり、良い一年となるはずであった。
しかし、第三十四回 北の大文字(令和二年十二月三十一日〜令三年一月一日)はコロナ禍の影響で無観客となり、関係者のみで行われ、陸上自衛隊上富良野駐屯地太鼓同好会「紫彩太鼓」の演奏で全国にライブ配信され、大きく様変わりした新年の幕開けとなった。早い終息を願うばかりである。
掲載省略:写真〜北の大文字(北の大文字実行委員会)
新型コロナウイルスで使われた用語
新型コロナウイルスの感染拡大が札幌市を中心に止まらず第三波が押し寄せている。身近なところで旭川市の厚生病院では国内最大となる三一一名の大きなクラスターが発生し、吉田病院では自衛隊に看護師派遣を要請した。このクラスター感染の終息は、令和三年一月二十六日に旭川市保健所から発表された。
その様な中、新型コロナウイルスの関連で多くの新語や流行語が生まれている。
国民全員にマスクの二枚配布の政策に、安倍政権下の経済対策「アベノミクス」をもじって「アベノマスク」と名づけられ、税金の無駄使いと揶揄したものも含まれている。
以下、新型コロナウイルス・PCR検査・エクモ・緊急事態宣言・集団感染(クラスター)・三密(密接場面・密集場所・密閉空間)・不要不急の外出自粛・テレワーク・リモートワーク・リモート会議・飛沫感染・営業短縮(時短営業)・休業補償・濃厚接触者・医療崩壊・テイクアウト・デリバリー・ソーシャルディスタンス・Go Toキャンペーン・Go Toイート・感染者バッシング・自粛警察・マスク警察等が主なものである。
令和二年の「新語・流行語大賞」が十二月一日に発表され、年間大賞に「三密」が選ばれたほか、トップテンには「アベノマスク」や「Go Toキャンペーン」など、新型コロナウイルスの影響を反映した言葉が並んだ。
『二〇二〇今年の漢字』は「密」が選ばれた。なお、項目毎の新語説明の詳細は省略する。
この記事は、二〇二〇(令和二)年末までの状況を記しているが、感染第三波の猛威は終息の様子を見出せない動向であるため、次号に続編として「その後」について投稿を予定している。
参考資料
■北海道新聞(四件)
四月十六日 十勝岳ハイヤークラスター(富良野版)
六月 五日 プラザトミヤマの廃業(富良野版)
十一月二十四日 町長選挙公開討論(道北版)
十一月三十日 斉藤新町長当選(道北版)
■北海道新聞 新型コロナ特集号(bP〜6)
■北海道保健福祉部地域保健課
新型コロナウイルス関連の患者の発生
■上富良野町 町政懇談会資料
■上富良野町ホームページ
■上富良野町広報かみふらの
■カメラ見て歩き
タマネギ配布 六月六日
■日本橋夢屋ホームページ二〇二〇・一二・三
■新型コロナウイルス各国入国制限一覧
■一般社団法人かみふらの十勝岳観光協会
写真 北の大文字
かみふらの宿泊超割事業チラシ
お家でグルメチラシ
■上富良野町文化連盟会長 和田昭彦
第五十六回総合文化祭の実施経緯
機関誌 郷土をさぐる(第38号)
2021年3月31日印刷 2021年4月1日発行
編集・発行者 上富良野町郷土をさぐる会 会長 中村有秀