第7章 現代の上富良野 第5節 現代の交通と通信
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2、自動車輸送の拡充
自動車の普及
戦後自動車の普及は目覚ましいものがあったが、近年の町民の乗用車の保有状況をみてみよう(表7−24)。昭和46年度の数字は同47年刊『北海道市町村勢要覧』により、その他は1979年版・83年版・87年版・93年版・98年版『上富良野町勢要覧』の資料編によった。
これによれば、平成になってから普通車の保有台数が大幅に増加したことがわかる。また、平成8年の合計4,867台は、この時の上富良野町の世帯数5,100と近似している。このことから、今日に至ってほぼ1家に1台の割合で車が普及したといえよう。
さらに各年度の自動車保有台数をみてみると、昭和43年度以降、乗用車の数が貨物・乗合用の数を上回り、平成8年度には乗用車と軽自動車を合わせた数(6,406台)が、総車計(8,003台)から小型二輪車(127台)を除いた数(7,876台)の約81.3lを占めるようになっている。
こうしたことから、今日の上富良野町管内に起こっている交通問題は町民の自覚と深くかかわっているといえ、町としては
町民の意識、生活のスタイルなどに十分配慮した上で交通対策をたてることが要求されているといえよう。
表7−24 乗用車保有台数
年度 |
昭和46 |
51 |
56 |
61 |
平成3 |
8 |
普通車 |
6 |
6 |
27 |
31 |
115 |
977 |
小型車 |
1,438 |
2,206 |
3,241 |
3,659 |
3,980 |
3,890 |
バス輸送網の拡充
戦後、路線バスの運行は町民の足として重要な役割をはたしてきた。その運営を担っていた旭川電気軌道株式会社は、次第に、自家用車の普及や農村地帯の過疎化の進行などによって運行の維持が困難となり、その運行規模を縮小していき、やがて昭和58年に全路線から撤退した。
その後は、地域のバス会社や町営バスが町民の足として運行を続けている。町史編纂室の調査によれば、その経過は表7−23のとおりである。
このうち、町営バスの輸送人員の年度ごとの推移は表7−26のとおりである。それぞれの数字は1977年版・83年版・87年版・93年版・98年版『上富良野町勢要覧』の資料編によった。
これをみると、運行開始当初と比べると、江幌・静修線は約10分の1、清富線は約4分の1、十勝岳線は約3分の1、里仁線は約4分の1に減っている。これは今日のマイカーの普及と関係があろう。
このうち江幌・静修線は近年でも減少する傾向が見られるが、他の線、すなわち、清富線は、平成に入るまでは急速に利用者が減ったが、平成に入ってからは少しずつ利用者が増えており、また、里仁線も、平成6年から再び増加してきている。十勝岳線も平成に入るまではかなりの勢いで減少し続けたが、平成に入ってからは、その減少にやや歯止めがかかり、安定した利用者数を保つに至っている。
このように、マイカーが普及した中で、近年、町営バスの利用が増える傾向にあるのは、来たるべき社会の交通体系の一つの在り方として注目すべきことであろう。
一方、町では通学バスも運行しており、過疎地域の交通手段として大いに利用されている。平成8年4月1日現在の運行状況は表7−25のとおりである。
表7−23 町内路線バス運行経過
〔旭川電気軌道株式会社〕
路線名 |
起点〜(経由)〜終点 |
運行期間 |
備考 |
沿線 |
旭川〜富良野 |
昭23〜55.10 |
昭62以降ふらのバス運行開始 |
沿線 |
富良野〜上富良野 |
昭55.10〜58.7 |
昭58.8以降ふらのバス運行開始 |
山手線 |
富良野駅前〜(鳥沼・東中経由)〜上富良野駅前 |
昭27〜58.7 |
同右 |
江幌.静修線 |
上富良野駅前〜静修 |
昭27.10〜46.10 |
昭47.10以降町営バス運行開始 |
江花・新田中線 |
上富良野駅前〜(江花・新田中経由)〜中富良野駅前 |
昭32.5〜34.10 |
路線廃止 |
旭野・山加線 |
上富良野駅前〜旭野・山加 |
昭33.5〜46.10 |
路線廃止 |
日新・清富線 |
上富良野駅前〜(日新経由)〜清富農業センター前 |
昭33.5〜46.10 |
昭46.4以降町営バス運行開始 |
吹上線 |
上富良野駅前〜(旧道・中茶屋経由)〜十勝岳白銀荘前 |
昭27.6〜40.7 |
十勝岳温泉道路完成まで運行 |
十勝岳線 |
上富良野駅前〜(カミホロ荘経由)〜凌雲閣前 |
昭40.7〜50.5 |
十勝岳温泉道路完成後、吹上線から十勝岳線に改称して運行開始。昭49.4以降町営バス運行開始 |
〔ふらのバス株式会社〕
沿線 |
富良野駅前〜(中富良野駅前経由)〜上富良野駅前 |
昭58.8〜62 |
旭川電気軌道鰍ゥら引継ぎ運行開始 |
沿線 |
富良野駅前〜(各沿線町・旭川空港経由)〜旭川 |
昭62〜 |
「ラベンダー号」の愛称で運行 |
山手線 |
富良野駅前〜〈鳥沼・東中経由〉〜上富良野駅前 |
昭58.8〜 |
旭川電気軌道鰍ゥら引継ぎ運行開始 |
〔町営バス〕
清富線 |
町立病院横〜(上富良野駅前・農協前経由)〜清富小学校前 |
昭46.4〜 |
当初の起点は農協本町店前、平4.1.1現在の起点に変更 |
静修線 |
町立病院横〜(上富良野駅前・農協前経由)〜静修分岐点 |
昭47.10〜 |
同右 |
十勝岳線 |
町立病院横〜(上富良野駅前・白銀荘・国民宿舎経由)〜十勝岳温泉 |
昭49.4〜 |
同右。白銀荘経由は平6.4.1から運行 |
里仁線 |
町立病院横〜(東児童館・上富良野駅前・泉町経由)〜津郷 |
昭55.2〜 |
当初の起点は農協本町店前、平4.1.1現在の起点に変更 |
里仁線二一二 |
北30号〜(豊郷・津郷・北32号経由)〜西5線 |
平7.4〜 |
|
表7−25 町内通学バス運行状況
通学学校名 |
運行バス車名 |
通学区域 |
備考 |
上富良野小学校 |
こざくら (路線バス) |
旭野全域、日の出(東4線以東) |
町営(十勝岳線)、東四線経由 |
わかば (スクールバス) |
富原全域(富原4を除く)、島津(富良野川以東) |
|
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東中小学校 |
東中(北19号・東9線以東、演習場境界まで)、東中(北20号以北、東7線以西) |
|
|
上富良野西小学校 |
あけぼの (路線バス) |
日新全域、草分(草分1、6、二区更生の一部) |
|
西島津(富良野川以西)、光町 |
|
||
わかくさ (スクールバス) |
江花全域、草分(新生、吏進、旭)、里仁(沼崎) |
|
|
わかたけ (スクールバス) |
里仁全域(沼崎を除く)、草分(3北、3南、報徳、1、三重一・二、草分6) |
|
|
上富良野中学校 |
こざくら (路線バス) |
旭野全域、日の出(東4線以東) |
町営(十勝岳線)、東四線経由 |
あけぼの (路線バス) |
清富全域、日新全域、草分(草分1、6、二区更生の一部) |
|
|
わかくさ (スクールバス) |
江花全域、草分(新生、更進、旭)、里仁(沼崎) |
|
|
わかたけ (スクールバス) |
里仁全域(沼崎を除く)、草分(3北、3南、報徳、1、三重一・二、草分6) |
|
|
りんどう (路線バス) |
江幌・静修全域 |
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表7−26 町営バス輸送人員 単位:人
年度 |
路線名 |
|||
江幌・静修線 |
清富線 |
十勝岳線 |
里仁線 |
|
昭和49 |
11,233 |
6,710 |
21,725 |
− |
54 |
8,704 |
5,097 |
15,644 |
− |
59 |
6,097 |
3,025 |
11,035 |
2,531 |
平成元 |
2,803 |
896 |
7,213 |
1,160 |
6 |
1,080 |
1,180 |
6,872 |
520 |
7 |
1,472 |
1,377 |
6,572 |
541 |
8 |
1,239 |
1,762 |
8,106 |
581 |