以下の写真は、平成25年春の園路、水処理施設の造成工事風景です。
今までは、ラベンダーの植栽区画が大きかったため、大雨が降った際に大量の雨水が流末に集中する状態になっていました。
このため、次第に水が流れる経路の浸食がはげしくなり、同時に表土が極端に削り取られて、ラベンダーが丈夫に育つための養分が失われてしまいました。
流れ出た表土は、沈砂池や排水路を瞬く間に埋めてしまい、溢れた水は広範囲のラベンダー株に悪影響を与え続けてきました。
この状況を改善するため、水処理を前提とした管理用通路を新設し、この通路により区画を小さくし、区画ごとの排水系統を整備しました。
雪解けが遅く、春先の天候不順により、先行する土づくりと地形成形作業が遅れたため、この造成作業と工期を重ねながら、更には造成工事中に並行して植込み作業も行うという、異例な対応を余儀なくされました。
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5月8日の疎行風景 平成25年春作業区画の土地改良は、昨年の秋作業により終わっていましたが、この区画については急斜面のため一部地形を整斉する作業が春作業に持ち越されました。 本来ならば、雪解け直後に完了する予定でしたが、畑が乾いて作業ができるようになったのは、5月のゴールデンウィークが明けてからのことになりました。 |
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5月20日頃の疎行状況。 土づくりと地形成形後は、管理用通路の位置を決定し、この区画内の水を処理するため、受け口となる塩化ビニル製半割管を布設。 ちなみに、上富良野町を含む富良野盆地での田園では、田の代かきの真っ最中で、気の早い農家では田植えが始まる頃でした。 |
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半割管を敷設するために掘った土は、土壌改良が施されていないため、管理通路の下層路盤に使われます。 |
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管の敷設と同時に、植生土嚢(緑色の袋で、中には土と肥料、芝の種が混合されている)を水が流れてくる斜面方向に設置します。 土嚢自体で表土等土砂の流出を防止できますが、土嚢の中の種から生えてくる芝がこの効果を高めます。 |
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続いて、半割管排水路の残土を利用して管理用道路の路盤をつくります。 |
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仕上げに、ビリ砂利(粒の細かい割砂利)を敷き、転圧して出来上がり。 ビリ砂利仕上げは、雑草が生えにくいという利点があります。 |
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区画ごとの排水溝から集まる水は、ラベンダー園の中央に排泄する排水管に接合されます。 |
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ラベンダー園中央に敷設された配水管。 |
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従来は周辺から水が集まる場所に、沈砂池を設置していましたが、流下した土砂ですぐに埋まってしまうため、度々掘り出す必要がありました。 |
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今回の整備で、大幅に流出する土砂は減りますが、下流部へ流れ出て、排水路を埋めてしまわないよう、大きな沈砂池も新設しました。 |
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「愛の鐘」から見たラベンダー園の中央部。真ん中の通路の下には、配水管が埋設されています。 先の方で左右から接続しているのは管理用通路です。 雪解けの遅れや悪天候によって、大幅に予定作業が遅れていたため、ラベンダー植栽と園路・管理用通路造成と並行して行ったため、左半分のみ植栽が終わった時期、5月末頃の写真です。 |
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ラベンダー園の道路側には、厚めのウッドチップを置き、道路への土砂の流出を防止しています。 |