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序文

丑年会会長 平山  寛

昭和十二年に生を受けて早や四十一年、戦前、戦中、戦後の生活の中から、色々と経験、見聞して過すうちに厄年となり、過日、みんなが神社に参集しました。頭髪の真黒い者、やゝ白色を帯びた者、または禿頭になりかゝった者等、今まで過して来た人生経験の重みが、その顔に大人の様相を表わす者共ばかりであった。
皆で相談の結果、本会を丑年会と命名し、事業として、神社に塀を寄進し、同時に上富良野の古い出来事等に関して、諸先輩から、お話を頂き、一小冊子を作ることゝなったわけです。早速事業の分担を決めて、諸先輩にお願い申し上げたところ、各方面の方々から、心よく多数の貴重なお話を頂き、感謝に堪えません。
話しによっては上富良野の開拓時代の苦労の話しや、また町が発展して来た歴史的なものが含まれており、大変興味深い話であると共に、今までの先人の苦労が文面ににじみ出ています。
小さな一冊子ですが、人間の未来への発展を考える時に、過し来た月日を振り返り、その歴史的な重みの意義を考える事も大切と考えさせられました。
これからは私共が社会の重責を背負って行く年代ですが、諸先輩の『人間の生き方』に注目し、それを土台として、また新しい人間社会の形成に努力すべきと念じています。

かみふ物語  昭和54年12月 2日発行
編集兼発行者 上富良野町十二年生丑年会 代表 平山 寛