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=上富良野町郷土をさぐる会誌=
『第34号』の発刊に当たって

上富良野町郷土をさぐる会 会長 中 村 有 秀

 2017(平成29)年は、今から遡ること120年の1897(明治30)年4月12日に、上富良野の開拓移住として三重団体(団体長を板垣贇夫として三重県内から幌向・苫前・富良野等北海道への移住者を募集して組織した団体)の上富良野入植団長の田中常次郎(三重団体副団長)と、『田村栄次郎・久保伝兵衛・高田次郎吉・川辺七五郎・吉澤源七・川辺三蔵・服部代次郎』の一行8名が先陣として、西3線北29号の地を踏まれた時です。
 上富良野の母村である富良野村が行政体として設置された1897(明治30)年7月1日とは別に、この4月12日を『上富良野開拓記念日』としています。また、一行8名が入地初日の一夜を、楡の木の下で過ごしたこの地に、『憩の楡』と刻んだ石柱と『富良野平原開拓発祥之地』の看板が立てられています。
 三重県からの団体移住が縁で、三重県人会の発足、小学生や子供会の交流、ライオンズクラブの姉妹締結、各種スポーツ交歓、農産物配布キャンペーン、ラベンダー植栽等交流が続けられてきました。
 この交流を確固とするため、上富良野町開基百年事業に合わせて、1997(平成9)年7月30日に、三重県津市と上富良野町との『友好都市提携調印式』と、津市安東小学校と上富良野西小学校との『姉妹校提携式』が行われ、本年2017(平成29)年はこの時から20周年を迎えます。
 津市には、浄土真宗高田派本山である『専修寺』に「安楽庵」と命名された由緒ある茶室があります。上富良野町郷土をさぐる会の第3代会長 菅野 稔氏が2011(平成23)年5月、安楽庵茶室山道に千島桜の苗木200本を寄贈され、山道の苔と竹林の静寂な中に、北国北海道で育てられた桜が1年・1年と成長し、新たな繋がりも生まれました。
 上富良野町郷土をさぐる会は、本町の120年の歴史の様々な事項を『記憶・記録の遺産』として、関係機関、郷土をさぐる会員及び賛助会員、読者の皆様のご支援により、第34号の発刊となりました。
 上富良野町開基120年、津市との友好都市提携20年と記念事業があり、加えて『十勝岳ジオパーク(美瑛・上富良野エリア)構想』の認定に向けての諸活動が展開されています。
 上富良野町郷土をさぐる会も、これらの記念事業とジオパーク認定に、全面的に支援、協力をして参ります。
 本年は、『十勝岳大正噴火90年回顧誌』と『郷土をさぐる第34号』の編集作業が重複しましたが、歴史は続く―記憶・記録はまだまだある―との視点から、今後も活動を進めることを申し上げ、第34号発刊に当たっての言葉といたします。


機関誌      郷土をさぐる(第34号)
2017年3月31日印刷      2017年4月1日発行
編集・発行者 上富良野町郷土をさぐる会 会長 中村有秀