郷土をさぐる会トップページ     第22号目次

会長に就任して

郷土をさぐる会 会長 成田 政一 
          昭和六年四月二十三日生(七十三歳)

昭和五十五年に今は亡き初代会長金子全一氏の郷土愛への情熱と指導により、一九八一年(昭和五六)に「郷土をさぐる第一号」が発刊されて以来、四半世紀の歴史を重ね、ここに第二十二号を発刊することになりました。
この度、一九九八年(平成一〇)の第十六号発刊から、会誌編集指導と発展にご尽力され、本会発足二十五周年記念式を挙行すると共に、第二十号記念号の発刊と、開基五十年を期して、昭和十八年に村役場の書記熊谷一郎氏が執筆した草稿原稿により、「かみふらの村史」の復刻版の発刊など、数々の業績を重ねてまいりました。
不肖私が第三代会長菅野稔氏の後任に推挙され、第四代目会長の大役をお受けすることになりました。歴代会長の意志と業績を受け継ぎ、精進努力する決意でございます。賛助会員並びに読者の皆様、今後益々のご指導とご支援を賜りますよう心からお願い申し上げます。
顧みますと、明治三十年の開拓以来先人の苛酷なまでの苦難辛苦を経て、ようやく農業経営が軌道にのり、豊かな希望のもてる生活に入りつつあった一九二六年(大正十五)の十勝岳大爆発の泥流により、沃野が一瞬に泥土と化し、その復興をかけた時より八十年、その後、長期に及んだ大東亜戦争(第二次世界大戦)が終戦となって六十年の節目の年を迎えました。開拓の苦難、十勝岳大爆発の泥流災害からの復興、あの忌まわしい戦中戦後の体験など、これらの経験、体験者の少なくなる中で、過去の歴史が風化されつつあり、歴史をさぐる道が閉ざされつつあります。
昨年は、平和のシンボル「オリンピック」の年で、日本選手の活躍は目を見張るものがありました。しかし、歴史上最も多い台風の本土上陸で、全国的に大災害をもたらし、加えて新潟中越の大地震、遠くスマトラ半島の大地震と大津波災害と、年末に標榜される漢字が「災」となりました。
これら、過去の開拓の苦難や、数々の災害からの教訓を「さぐり」記録して、今後の明るい町づくりや社会生活の向上に役立てば、幸に存じます。
第二十二号の発刊に当たり、短い期間の中編集に当たられた委員の皆様に感謝し、ご多用の中本誌にご寄稿下さいました皆様に、心からお礼を申上げまして御挨拶といたします。

機関誌  郷土をさぐる(第22号) 
2005年3月31日印刷   2005年4月15日発行
編集・発行者 上富良野町郷土をさぐる会 会長 成田 政一