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『郷土をさぐる』第二十号の発刊について

上富良野町郷土をさぐる会 会長 菅野 稔

昭和五十五年に郷土をさぐる会が結成され、翌昭和五十六年十月(一九八一年)に、かみふらの「郷土をさぐる誌第一号」が発刊されましたが、以来二十有余年の歴史を重ねて、この度、第二十号の発刊の運びとなりました。
初代会長、金子全一氏の「明治三十年の開拓以来の郷土上富良野の先人の方々の、今日までの苦難、労苦、努力の尊い足跡を是非残しておかなければならない」という強い情熱と、その呼びかけに賛同した多くの古老の皆様の協力で『郷土をさぐる会』の発足と『郷土をさぐる誌』第一号の発刊となりました。
初代会長、金子全一氏が平成四年(一九九二年)の「第十号発刊によせて」として、次の寄稿文があります。
『年一回の発刊であるが、せいぜい二・三回も出したら終りであろうと思って引き受けたのに、延々と遂に第十号を刊行する事になりました。振り返って見れば、良く続いたものと感慨無量であります』と記しています。
更に、『当町の開基九十周年記念事業に協賛して、明治四十二年発行の「上富良野志」の復刻本を発刊し、開村十周年目の村の様子を町民に知らせる事ができました』と、その喜びを語っています。
第二代会長 高橋寅吉氏は、郷土をさぐる会発足時から副会長及び編集委員として持前の行動力と郷土愛で活躍され、第十一号から第十五号まで会長として初代金子会長の方針を継承され、当町の開基百年の記念事業として「かみふらの事始め物語」と「ふるさと上富良野 昭和十一年頃の街並みと地区の家々」を平成十年三月(一九九八年)に発刊しました。
第二代会長 高橋寅吉氏も第十五号発刊で、郷土をさぐる誌継続の是非を会員に問いかけた所、多くの会員から「時代は流れて行くが、まだまだ書き残し伝承して行く事が沢山あるので、継続すべき」との声があり、第十六号発刊準備から、第三代会長として不肖私が引き受けました。初代会長 金子全一氏、第二代会長 高橋寅吉氏の意志を受け継いで今日まで来ましたが、大変な仕事であることを痛感しております。
この度、郷土をさぐる誌が第二十号発刊と、郷土をさぐる会発足二十五周年の記念すべき年を迎えることになりました。
これは偏に、編集委員をはじめ会員の並々ならぬ努力と、財政的にご協力して戴いた賛助会員の方々、又記事を書いていただいた執筆者の方々、それにも増してこの第二十号発刊の長い間ご協力下さった読者の方々に深い感謝を禁じ得ません。心より厚くお礼申し上げる次第です。
今回、第二十号発刊及び会発足に二十五周年記念事業として、昭和十八年に熊谷一郎氏が執筆した「かみふらの村史」の復刻版を発刊し、町の主要施設に歴史の資料として寄贈保存することにいたしました。
更に歴代編集委員をはじめ功労のありました方々に感謝状を贈りその御苦労に報いる事といたしました。この二十年間後世に残る貴重な記事を書いて下さった多くの方々の中には既に故人となられた方も沢山おられ、特に近年に至って初代会長 金子全一氏、続いて安部彦市氏、佐川亀蔵氏が亡くなられた事は大変残念なことであり心からのご冥福をお祈りする次第であります。
現在熱心な方々が編集委員として本誌の編纂に活躍されております。内容も充実され立派な郷土誌としてその目的を果す事と確信いたしております。
長い年月に亘り愛読下さいました皆様に心からの感謝を申し上げます。今後も尚一層の御指導、御協力を賜りますようお願い致しご挨拶といたします。

機関誌 郷土をさぐる(第20号)
2003年3月31日印刷 2003年4月15日発行
編集・発行者 上富良野町郷土をさぐる会 会長 菅野 稔