郷土をさぐる会トップページ     第16号目次

編集後記

昨年は、上富良野町開基百年記念の協賛事業として、郷土をさぐる誌第十五号は『かみふらの事始め物語』、そして別冊『昭和十一年頃の街並みと地区の家々』を発刊し、関心のある町民の皆様から好評をいただきました。
第十六号の編集にあたり、会員の皆様は昨年は二冊発刊し大変苦労したので、第十六号は原稿収集を含めて充電期間とし、一年休んではとの意見が総会に出されました。
しかし、総会後の新編集委員会の会議で、諸先輩が築かれた『一年一冊』のペースを継承しようとの多くの意見で、第十六号発刊への編集作業に取り組んだところです。
第十六号は、各地で活躍している郷土の人達シリーズは『元総務庁北海道管区行政監察局長西條弘氏』と『元海上自衛隊海将荻子芳雄氏』に依頼しました。
両氏とも各々の立場から御寄稿いただき、心より厚く御礼申し上げます。
編集委員として新たに入られました大森 明氏の『演習場に関する余談(1)障害問題について』は、関係住民の間に立って御苦労された数々の事が記されていますが、氏が結びの言葉で語られている耐え難きを耐え、忍んで下さった当時の戸主の多くの方々、そして、町長以下、行政面で、これらに関わって下さった方々も既に故人となられてしまった。
理屈を抜きに耐えて下さったこの方々こそ真の理解者であり協力者であった、と感謝している。
此の演習場が、いつまでも、防人集団の練度向上の道場として、存分に使用できるように、行政に関わる人達は、このような歴史の事実を、少しでも理解して戴けることを願いつつ、更には、町民と自衛隊が、真の意味での「協力態勢日本一」と、自身をもって語るに恥じない相互関係の深い信頼と確立を念じて結んでいる。
和田正治氏の『今書き遺す―ノモンハン事件の激戦』は、高齢で体力・気力が衰えつつある氏が、これだけは書き遺し後世に伝えたいと書かれました。
戦艦『長門』での海軍の思い出は、故落合 勇氏が生前に書かれたもので、原稿用紙七十余枚となり、上、下と二回に分けて掲載します。
かみふらの事始め物―上富良野町の上水道事業―は飲料水で苦しんで来た上富良野の人々に『おいしく安全な水を』と、行政面で西口 登氏、町議会議員として宇佐見利治氏が当時の苦労を綴ってくれました。
今後も『かみふらの事始め物語』として、町史に記載されていない事項等について、調査し掲載を計画しておりますので、読者の皆様のご意見を是非お寄せ下さい。野尻巳知雄氏の『富良野原野の殖民地撰定』は、上富良野百年史の編纂に関わった立場から、各分野での新事実や記述内容の誤解等を記してくれました。
次号以下にも継続して掲載予定です。
富良野村村医駒崎政一氏の足跡は、東川町史・滝川市史・富良野市史(一部あり)等に、訂正を要する事項が出て来て著者自身が驚いています。これ.が『郷土をさぐる』なのでしょうか……。

機関誌 郷土をさぐる(第16号)
1999年3月31日印刷  1999年4月15日発行
編集・発行者 上富良野町郷土をさぐる会 会長 菅野 稔