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農機具

農器具とは耕地における耕耘、収穫作業、または運搬、調整などに使用される機械類をまとめていう。
戦後日本の農業生産に係る機械化は年々その重要性を増してきて、今では農家の経営改善、あるいは国や地方自治団体の農政を進めるうえで農業機械は欠くことのできないものである。
こうしたなかで戦前はもちろん戦後もほとんどが馬による作業が主であった。しかし、農地を拡大し生産の増大を図るためにはどうしても機械に頼るしかなく、機械の導入が急速に進んできた。
昭和二十七年四月、日新白井広行、清富竹内正夫両氏が共同で国産のシバウラトラクター(十馬力以下)を、いち早く導入、重粘土と傾斜地に大活躍を示しておられた。
しかし、本町における耕地のほとんどが傾斜地と重粘土地のため、トラクターも大型化を要求する状況にあったが、当時は国産での大型機械は生産されて居らず、外国産トラクターに依存せざるを得なかった。こうした状況のなか、昭和三十四年九月、草分二区更生の菅原忠雄氏がイギリス製のフォードソン(三十二PS)を導入、本町においても「これぞ機械化農業」と町中の話題となり、其の後の農業に対する大きな期待がよせられた時代であった。
翌昭和三十五年春には江花の大場清一氏がドイツ製ブルドックランツを、つづいて草分更進の富田俊三氏、昭和三十七年四月には第一生産組合と、以後年々導入が進み本町機械化農業への展開を示している。
(桑田輝市記)

機関誌 郷土をさぐる(第15号)
1998年3月31日印刷 1998年3月31日発行
編集・発行者 上富良野町郷土をさぐる会 会長 高橋寅吉