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ミブヨモギ

ミブヨモギはキク科の多年草である。虫くだしのサントニンをとるために栽培されたもので、茎は枝わかれして、高さ一メートルほどになり、全体が白い羽状にきれこんでいる。夏から秋にかけて、小さな頭状花が多数集まって咲く。色は黄色でやや褐色をおび、日本ではおもに北海道や東北地方で栽培されていた。
上富良野町においては戦時中、札幌の日本新薬株式会社(当時)が江花地区を中心とする農家(大場福蔵外十数名)と契約栽培をし、農協を通じ出荷していたものである。
春に苗を植え、八月に苅取り、ハサ掛けをして乾燥をする。乾燥したものを梱包し当時馬車で市街まで運び○通により札幌の工場に発送したものである。

収入は他の農産物よりは高いようであったと思う。
昭和十七ー十八年頃、主に江花地区で栽培が始まった、虫下しの原料と言いながらも、ものすごく夜盗虫のつく作物であった。その後サントニン等の化学薬品が普及し、漸減の道をたどっていった。
(桑田輝市記)

機関誌 郷土をさぐる(第15号)
1998年3月31日印刷 1998年3月31日発行
編集・発行者 上富良野町郷土をさぐる会 会長 高橋寅吉