郷土をさぐる会トップページ     第15号目次

東中産業組合
(東中信用購買販売利用組合)

西谷元右エ門は、松岡百之助、堀田常次、森田喜八、尾崎政吉の諸氏と相諮り大正五年十二月十日東中産業組合を設立し、新たに認可を得て発足したのである。
創立当時は組合員数は四十二名、出資口数一〇〇口、払込み済出資金は、二〇〇円で有った。事業の主なものは、生産資材の共同購入による購買事業と、貸付金、貯蓄による信用事業であったが、中でも、信用事業は資金の回転に枯渇していた組合員から非常に喜ばれ、当時の営農のためには極めて重要な機関として利用された。
産業組合も米穀自治管理法の制定により販売業として、米穀統制事業を行いその関連として、農業倉庫の経営を始めたのが昭和九年で有る。
この組合には独立した事務所(組合長宅に事務所をおいた)がなかったので、昭和六年購買事業をはじめることが、一般農民に対する福祉をもたらすことの多いことを察知した理事者は、東八線北十八号に西谷仲次郎商店を購入、店舗とした。専任職員(辻 喜市 昭和六年五月一日付、月手当、三十五円)を置いて農家の生産資材は申すに及ばず、生活資材も取扱いするようになり、独立の事務所を設置した。
ここに指導者等があらゆる悪条件とたたかいながら、一人前の東中産業組合としての組織活動の基盤を築き上げ、事業活動も積極推進されたのである。後に上富良野産業組合を共立の形態をとり、更に農業会となり、上富良野村農業協同組合に変り現在に至っている。
(春名健一記)

機関誌 郷土をさぐる(第15号)
1998年3月31日印刷 1998年3月31日発行
編集・発行者 上富良野町郷土をさぐる会 会長 高橋寅吉