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上富良野産業組合
(上富良野村信用購買販売利用組合)

明治三十三年三月六日、産業組合法が制定公布された、本町に於ては未曾有の大凶作のため、生活に苦しんだ。大正二年十二月町の開拓者であり、当時村会議員をしていた吉田貞次郎氏が中心となり、法に基づく産業組合が創立された。
大正三年二月十日の創立総会に於て次の様に事業計画が議決されて第一年目がスタートした。
創立総会
大正三年二月十日本組合事務所(吉田貞次郎氏宅)に組合員三十一名が参集し、創立総会を開き次の事項を決議して発足している。
(一)組合施行計画
1 信用事業にありては組合資金のみの運用に止どむること。
2 購買事業にありては物資の融通をはじめ農業に必要なる物資の購買をなすこと。
3 販売事業にありては各自生産物中の一、二の種類を選択して試売すること。
4 本事業年度最高借入限度額を三千円とする。
5 本事業年度の貸付限度一人に付五十円とする。
(二)事業所、組合員
本事業所を上富良野西四線北一七七番地(吉田貞次郎氏宅)におく。
組合員三十一名を以って「無限責任 上富良野村信用購買販売利用組合」が誕生した。
設立当時の役員は次の通り。
理事 吉田貞次郎、高士仁左ヱ門、増田嘉太郎
監事 高田次郎吉、田村岩蔵
爾後組合員の加入が相次いで昭和十二年度四九一名となる。
共立産業組合時代
一村一組合の理想的な大同団結により誕生した共立産業組合は、上富良野、東中共過去二十年、創立以来の基盤と村を挙げての経済更生運動が堅実な姿で結集されたものであり、名実共に全村を一円とした理想郷の建設とも言えたのである。
昭和十三年十二月末日現在で次の通りであった。
組合員数  一、〇七八名
村農家戸数 一、二五三戸 加入率 七割九分
実行組合数 六十六組合、加入率九割
出資金   六八、八六八円五十一銭
理 事   吉田貞次郎  田中勝次郎  新井与一郎
      西谷 元雄  五十嵐富市  小川 総七
      久野 春吉
監 事   海江田武信  岩田雅太郎  古川吉之助
      高田多三郎  工藤 倭平
その後、東中産業組合と合併し、共立上富良野産業組合となり、更に上富良野村農会と合併した形で上富良野村農業会となる。昭和二十二年農協法の公布により、上富良野村農業協同組合に生まれかわることとなる。

機関誌 郷土をさぐる(第15号)
1998年3月31日印刷 1998年3月31日発行
編集・発行者 上富良野町郷土をさぐる会 会長 高橋寅吉