郷土をさぐる会トップページ     第10号目次

十号発刊を祝して

上富良野町長 酒匂 佑一

郷土をさぐる会の皆様が毎号精魂を傾けて編集し、多くの町民の方々の協賛を得てこられた「郷土をさぐる」も、十号に達したということは誠に嬉しいことであり又祝うべきことでもあります。
本当におめでとうございます。皆様のご努力に対しまして、衷心より敬意を表します。
その町の歴史、文化は当然その町独自のものであり、連綿とつながって、切れることのないものではありますが、さてそれを誰れが、どのようにして誰れに伝えてゆくかとなるとなかなか難しいものがあります。個人の家であれば先祖伝来、祖父から父へそして子・孫へと伝わってはきますが、時代の相違やら、流れの中においてはややもすれば、途切れ勝ちになることが多いと思います。
又個人的な伝統であっても時代を思わせる貴重なものは、やはり公的な開放が望まれるものもありますし、個人的なものとして埋もらすのには惜しいものも沢山あると思います。又是非これは今後のためにも残しておきたい大切にしておきたいと思うものもあります。そういった大事な歴史・文化を掘り出して、世に送りつづけているのが、皆様のやっておられる「郷土をさぐる会」のお仕事だと思うのであります。大変大切な又尊いお仕事だと思うわけでありまして、皆様のご努力と真摯な姿勢に対し、改めて敬意を表し感謝申し上げる次第でございます。
世の中には、埋もれたまま遂に日の目をみずに終わってしまうもの、或は大事にしまっておいて人の目には触れさせたくないもの、或は又これはどうしても日の目に合わせたいと思うもの等色々あると思いますが、これは所有する個人又は団体等において決めることではありますが、このようなことに関心と興味があり、歴史と伝統・文化を誠実に守り、次代へ継ぎたいという熱意のある第三者的な立場の人或は団体がこれを受け継ぎ、世に紹介していくことの必要性を感じ、本町においては皆様がそれを受け持ってやって頂いているわけでありまして誠に貴重な存在と言わねばなりません。
どうぞこれからもこの仕事を大切にして頂いて、貴重な文献或は事物を後世に残し、或は保持し、上富良野町の貴重な歴史・文化に益々磨きをかけて頂きたいと思います。
大変努力と苦労の多い仕事でありますが、今後益々発展していきますよう心から念願申し上げますと共に、皆様のご努力に重ねて讃辞を送り祝辞と致します。

機関誌 郷土をさぐる(第10号)
1992年2月20日印刷  1992年2月25日発行
編集・発行者 上富良野町郷土をさぐる会 会長 金子全一