「事務事業の見直し」「補助金等整理合理化」に向けた提言

 

 町においては、昨年度策定された「行財政改革実施計画」に基づき、改革の着実な実践に向け取組まれていることに、敬意を表します。

 行財政改革は、多くの町民が理解し、その必要性を認識しているところですが、個々の事務事業や補助金等を、今後どのようにしていくかとなると、様々な利害もはらみ、なかなか共通理解を得ることは難しい課題でもあります。

 町では、その難しい課題に向け具体的な作業に着手され、先般、各所管課の考え方を整理した「事務事業の見直し方針(案)」「補助金等の整理合理化(案)」を提示いただきました。

行財政改革推進町民会議としては、提示いただいた資料を基に、個別の事務事業・個別の補助金等について集中的に協議を行い、各委員より様々な意見が出されました。各委員から出された意見については、委員間において賛否分かれるものもあるところですが、町民会議として、統一した意見として集約することよりは、各委員のそれぞれの意見が町民の声でもあることから、それぞれの意見をストレートに町当局へ提示することが肝要との考え方に基づいて、本提言をまとめたところであります。

 今後、町においては組織としての方針策定に取組まれることと思いますが、方針策定にあたり、本提言が参考の一助になるとともに、今後の行政運営に反映され、改革が更に前進することを期待します。

平成17年8月29日

 上富良野町長 様

上富良野町行財政改革推進町民会議

議 長  堀 内 慎一郎

 

 

 

(平成17年10月31日開催、第10回行財政改革推進町民会議資料)

 

注:囲み枠の内容は、提言に対する10月31日現在における町の考え方を示しています。

 

1 事務事業の見直しに関する提言

 ◎議会議員の定数

  ・1つの基準として、人口1,000人に1議員程度の定数で良いのではないか。現行定数18名から、6名程度の大幅減を求める旨、議会へ進言されたい。

議会事務局を通じて伝えました。議会では「議員間で協議し、結論を出す」とのことです。

 ◎渉外経費

  ・町民不幸の際の香料(3,000円)は、廃止を検討されたい。

 平成18年4月から弔電対応へ切替え、参列と香料は廃止する考えです。(ただし、名誉町民、自治功労者、現職公職者などを除きます。)

 ◎敬老会の地域開催

  ・地域開催を推進していく以上は、欠席者への記念品等の要望等は廃し、地域の裁量に委ねる手法を強化していくべきと考える。

  ・住民会長会議等において協議し、敬老会のあり方を検討されたい。

 敬老会の地域開催は、今後とも地域の自主的な開催を推進して行きます。記念品等については、地域開催であることを考慮し、平成18年度から地域の実情に応じた進め方をして行きたいと考えます。

 ◎在宅介護

  ・社会福祉協議会と重複するような事業は、社会福祉協議会へ委ねることで、在宅介護支援センター等の効率化を図るよう検討されたい。

 社会福祉協議会とも協議を重ね、町・社会福祉協議会双方が担任する分野を明確化し、効率化を図って行きます。

 ◎ゴミ処理手数料

  ・本町のゴミ処理手数料は、全道的にも高額に位置している。手数料の値上げを検討する前に、処理経費の縮減など、手数料の値上げを極力抑制する工夫を講じられたい。

これまでごみ処理対象経費の30%だった受益者負担を、町と受益者が50%ずつの負担にする考えでいます。処理経費の縮減は、環境保全とダイオキシン対策を考慮して、より一層の努力を傾注して行きます。[参考 H17.3.31現在道内市町村手数料状況:有料化141、家庭系可燃ごみ有料化119うち単価1.5〜2.0円/ℓが最多で64(本町)。]

 ◎指定管理者制度

  ・制度導入にあたっては、施設の効率的な管理運営が果たされるよう、現在の管理委託者を安易に選定するのではなく、競争性が発揮されるように指定管理者の選定にあたられたい。

 指定管理者の選定にあたっては、選定基準を設け、選定委員会において制度導入趣旨に則り、厳格に選考して行きます。

 ◎観光事業

  ・各イベント等は、町民に「もったいない。」と指摘されることのないよう、限られた予算の中で、効果的な内容に見直しを図られたい。

 提言の趣旨を踏まえ、効果的な内容となるよう見直しを図って行きます。

 ◎教職員住宅

  ・未利用となっている教職員住宅が多くあることから、普通財産に移行し、有効利用を図られたい。

 使用見込みのない教職員住宅は、普通財産へ移行(所管替え)をして行きます。

 ◎学校の統廃合

  ・少子化が進み児童生徒数が減少しているが、学校の統廃合については、将来に向けた考え方を整理し、対応を図られたい。

 地域、町民、議会とも協議し、将来の学校教育のあり方を考えて行きたいと思います。

 ◎町民プール

  ・東中の町民プールは極めて利用が少なく、学校の水泳授業もB&Gプールを利用していることから、同施設の廃止を検討されたい。

 町民プール(東中)は、現状レベルでの維持管理を継続して利用する予定です。しかし、老朽化が進んでいることから大規模改修が必要な時点で施設を廃止して行く考えです。

 ◎特認校の登下校

  ・特認校は、本人(保護者)の希望により選択するものであることから、通学手段は自らの責任で確保すべきであり、タクシー送迎は廃止を検討されたい。

 平成19年度を目途に廃止に向けた取組みを進めます。

 ◎人件費の縮減

  ・職員数の減と、給与制度の見直しをあわせて、目標とする人件費15%削減を達成されたい。

  ・特別職及び議会議員等の給料・報酬等についても、更なる削減を求める。

 新職員数適正化計画に沿った職員数の縮減と給与制度の見直しの両面から平成20年度までに人件費15%の削減を図ります。

 特別職等の報酬は、平成17年7月1日に改正し、再改正に向けて検討を進めます。

 

 

2 補助金等の整理合理化に関する提言

 

 ◎住民会交付金

  ・地域における様々な自治活動の推進を目的に交付されているもので、その使途に制限はない交付金であるが、住民会長等への手当としてその多くが使途されているとすれば、更なる削減を検討すべきと考える。

  ・交付金の削減が、目的とする自治活動の衰退につながっては、意味がないことになるので、交付額の決定は、慎重に取り扱われたい。

 本交付金は、住民会の自主性を尊重し、地域の自治活動を促進するために交付しておりますが、今後においても本来目的を損なわないよう慎重に取り扱って行きます。また、地域に交付している様々な補助金等については、地域の裁量と主体性を尊重し、統合化を図りながら効率化を進めます。

 ◎消費者協会

  ・消費者協会の活動が、補助効果の高い活動とは見受けられない。補助金の廃止を含めて検討されたい。

 消費者協会と行政が担う役割を明確にするとともに広域的な視点での取り組みを促進しながら補助金廃止も含めて精査していきます。

 ◎明るい選挙推進協議会

  ・任意設置の組織でもあり、組織自体の廃止を検討されたい。

 協議会の委員は、選挙管理委員会の委員長が委嘱しており、選挙啓発活動のあり方について、選挙管理委員会として、また推進協議会として十分検討し、組織存廃について方向性を決定していきます。

 ◎高齢者事業団

  ・高齢者の生きがい対策の事業としては、事業団運営に人件費等について、一定程度の助成は理解できるが、生きがい対策としては、業務単価が高すぎる。安価で町民が利用しやすい運営に見直されたい。

  ・実態は、営業(商売)となっているように見受けられる。そのようなこととすれば、補助金は廃止し、完全自主運営に見直されたい。

 町の施策の観点から組織運営に必要な人件費を中心に助成を行っていますが、他の公的団体とのバランスも図りながら対応して行きます。また、自主的な運営の促進と提供する業務がより利用しやすいものとなるよう指導に努めていきます。

 ◎リフレッシュ・マイタウンかみふらの

  ・事業補助については理解できるが、定額の団体運営補助は、廃止すべき団体と考える。

 補助金は廃止し、自主運営に移行するよう団体との協議を進めていきます。

 ◎地域福祉推進事業(ふれあいサロン)

  ・介護予防や閉じこもり防止等を目的に、ふれあいサロンを開催しているが、各地域の開催実態は、目的に則した効果が発揮されていない面が見受けられる。各住民会では負担増の意識も強く感じられ、廃止を検討されたい。

  ・現在、25住民会中20近い住民会が実施している状況にあり、申請住民会に対しては、6年間の奨励助成を継続すべきと考える。

 住民会の自治活動を促進する観点から地域に関係する補助金のひとつとして統合化など、その取り扱いを検討していきます。

 ◎観光協会

  ・観光協会は、営利事業を行う法人でもあり、毎年度多額の補助金が交付されることは疑問である。観光協会独自の努力を促すとともに、運営自体の規模縮小も検討が必要で、補助金の縮小を検討されたい。

 町の施策の観点から組織運営などに必要な経費を助成していますが、人件費補助については他の公的団体とのバランスも図りながら対応して行きます。また、事業補助については自主的な運営を促し、縮減に向けて指導に努めていきます。

 ◎職員互助会

  ・全国的にも批判の声が聞かれる。どのような厚生事業に対し、どの程度の助成をしているのか透明性を図るとともに、補助の縮減を図られたい。

 事業者の責務として実施する福利厚生事業の位置付けを明確にし、補助金の透明性をより一層高めていきます。

 ◎文化連盟・体育協会

  ・文化連盟と体育協会は、各単位団体の集合組織として、似た性質を持つ団体であるが、補助金比率に大きな差がある。バランスを図られるよう検討されたい。

 補助金の必要性や妥当性、交付成果を総括し、類似団体とのバランスも考慮しながら、効果的な補助金となるよう見直しを図り、縮減に努めます。

 ◎女性スポーツ団体協議会

  ・本来、自主財源で活動する団体と考えられる。補助額も小額であり、廃止を検討されたい。

補助金の必要性や妥当性、交付成果を総括し、効率的な補助金となるよう見直すと共に、自主的な運営を促し、縮減に努めます。

 ◎学校給食費徴収事務交付金

  ・各学校には、町の事務員を配置(臨時職員)しているにもかかわらず、事務費を交付するのは、おかしいのではないか。廃止を検討されたい。

交付金の必要性や妥当性について十分精査し、縮減に努めます。

 ◎上富良野高校振興補助

  ・上富良野高校の校舎改築要望等もあり、一定程度の補助をしてきたが、新校舎が完成し、道立高校に対する振興対策については、大きな見直しを求める。上富良野高校が独自で努力する部分と、町が支援する部分を明確化する必要がある。

 2間口を維持する観点から平成19年度までの2ヵ年間は継続して支援していきます。

 また、魅力ある学校づくりを推進するにあたり、学校と連携を図りながら町の支援策のあり方について見直しを進めていきます。

 

 

 

 

 なお、以下の点を追記して、事務事業の見直し及び補助金の整理合理化に向けた町民会議としての提言といたします。

 

 ・厳しい行財政環境にあり、行政の事務事業が全体的には縮小傾向になっていくことについては理解できるが、どの程度の縮小になっていくのかを、町民に明確に示していくことが重要である。

 ・学校教育に関しては、どの程度のサービスを提供していくかにもよるが、児童生徒数が減少していくことを考えれば、全体的な経費は縮小されていくべきと考える。

 ・町税(使用料等公共料金全般を含む。)等については、負担の公正性の観点から、滞納徴収の一層の努力に努められたい。