平成18118

 

各 課 長 等

 

町   長     

 

平成19年度予算編成方針について

 

 わが国の経済状況は、先に財務省が取りまとめた「経済情勢報告概要」によると「全国的には地域差があるものの、総体的には企業活動、個人消費、雇用情勢など各般にわたって緩やかな回復が続いている」とされ、各地域における景気回復の動きは着実なものとなっていますが、先行きについては、今般の原油価格の動向が内外経済に与える影響に留意する必要性が指摘されています。

 

 一方、北海道においては、観光客の増加や企業収益の増益が見込まれるものの、雇用情勢は依然として厳しく、生産活動や個人消費の面でも横ばい基調にあることから、「総合的には緩やかな持ち直しの動きが続いている」と、他の地域に比べてより慎重な評価となっており、景気回復の兆しを実感できないのが現状であります。

 

 国では、本年7月に国・地方を合わせた基礎的財政収支(プライマリーバランス)5年後の2011年度には黒字化をめざした「経済財政運営と構造改革に関する基本方針2006(骨太の方針2006)」を決定しました。その中では、財政健全化に向けた「歳出・歳入一体改革」で黒字化に必要な額を165,000億円と試算しています。このうち歳出で114,000億円から143,000億円を削減し、残る不足額は税制改革による歳入で対応するとしています。

 

 これを踏まえ、平成19年度予算の概算要求の基本方針では、一般歳出の概算要求基準額の上限を3年連続して前年度を下回る水準に設定し、地方財政についても、地方公務員人件費や地方単独事業等の徹底した見直しを行うことにより地方財政計画の歳出規模を引き続き抑制するという、厳しい内容となっております。

 

 このような状況の中、本町の財政状況を見てみると、平成17年度決算においては、地方交付税等の大幅な減収と扶助費をはじめとする経常経費が増加したことにより、財政構造の弾力性を示す経常収支比率は90.7%で、前年度と比べて1.6ポイント悪化、ここ数年は適正水準の範囲とされている80%を大きく超える結果となっています。

 

 本年10月末現在における来年度の財政見通しでは、歳入面で個人住民税の定率減税の廃止や国から地方への税源移譲では暫定的措置の所得譲与税が廃止され、個人住民税率の10%フラット化によって町税等の増収が見込まれますが、一方では地方交付税の減額が見込まれることから総体的には減収が避けられない状況にあります。


 一方、歳出面では、「行財政改革実施計画」に基づき、全ての事務事業について徹底した経費の節減と見直しを行い、行政のスリム化に努めているものの、扶助費、人件費などの義務的経費が横ばい傾向にあることに加え、地方分権の進展や少子高齢化の急速な進行など、社会情勢の変化に対応した施策が喫緊の課題であることから、財政的にも厳しい状況が続くことが見込まれます。

 

 町が将来のまちづくりとまちの自立に向けて策定した行財政改革実施計画(集中改革プラン)では、第4次上富良野町総合計画の最終年である平成20年度には財政収支の均衡を図ることを目標に各分野にわたる取り組みを進めているところですが、その目標を達成するためには、今まで以上にスピード感を持った取り組みにより改革の成果を着実にあげていかなければ実現は不可能な状況にあります。

 

平成19年度の予算編成においては、町財政が極めて厳しい状況にあること再認識するとともに各計画が目標年度とする平成20年度に向けて各分野の各事業を検証したうえで、「選択と集中」による取捨選択と効率的な執行、更には町民との協働の視点に立った行政運営をより一層推進し、各事業の費用対効果を最大限に発揮することが求められています。

このことから、従来の「シーリング方式」による予算編成手法を改め、各課の自主性・自立性の確保と職員の自治体経営意識の徹底、スクラップアンドビルドの促進などを目的に、一部経費について各課に一定の財源を配分する「予算枠配分方式(各課自立型予算編成方式)」を導入します。

 

以上の基本的な方針を踏まえ、具体的には次のとおり予算編成に取り組むものとします。

 

 

〔予算編成の基本的な考え方〕

 

1 第4次上富良野町総合計画の推進

4次上富良野町総合計画の推進では、本計画の重点施策である「人−豊かな心の人のまち」・「職−活力ある産業のまち」・「住−住みよい快適なまち」・「共−共に創るまち」の4つの柱に基づき各施策を推進するが、本計画が平成20年度で最終年を迎えることから、事業の選択、実施に当たっては町民への説明責任を十分果たしながら、時代の要請に合うかどうかの検証を行うとともに、次期総合計画も視野に入れて平成19年度に実施すべき事業を厳選すること。

 

2 行財政改革実施計画の着実な推進

平成18929日付け「平成18年度行財政改革実施計画の推進及び新年度予算編成への反映について」(助役通知)及び「平成18年度以降の行財政改革の主な取組み内容」(H18.2.24決定)により、平成19年度予算に167,000千円の取組み効果を反映することを決定しており、町行財政改革実施計画(集中改革プラン)の着実な推進と、予算編成へ反映するよう特に留意すること。

(通知文・取組み内容収蔵先:「資料置場−H19-当初予算関係−各方針・指針」)


また、以下の点に留意して取組みを進めること。

 

()平成18年度以降の行財政改革の主な取り組み内容(H18.2.24臨時課長会議決定)

 経常経費の削減は全課対象であり、節・細節の区分及び事業ごとに必ず取り組み成果を反映すること。

()アウトソーシング基本方針(H17.9.30決定)

 同方針により、事務事業・業務区分ごとに取り組み成果を反映すること。

()事務事業の見直し方針(H17.10.20決定)

 同方針により、事業ごとに取り組み成果を反映すること。

()補助金等の整理合理化方針(H17.10.20決定)

 同方針により、事業・区分ごとに取り組み成果を反映すること。

()負担金の整理合理化方針(H18.9.29決定)

 同方針により、事業・区分ごとに取り組み成果を反映すること。

()投資的事業の抑制

 投資的事業については、予算編成上の収支均衡を図る一分野として、事業の優先度・緊急度等により、事業費総額や必要とする一般財源を抑制するなど総合調整を図る。

 

 

3 町民との協働の行政運営

地方分権の進展や少子・高齢化の進行による経済情勢の変化や、町民の価値観の多様化に的確に対応できる行政運営が求められる中、行政サービスの成果や効率性、質の向上を目指すとともに、町民の参加、参画を得て町民と協働した事業の展開を図ること。

 

 

4 予算枠配分方式(各課自立型予算編成方式)の導入

各課の自主性・自立性の確保と職員の自治体経営意識の徹底、スクラップアンドビルドの促進などを目的に、一部経費について各課に一定の財源を配分する「予算枠配分方式(各課自立型予算編成方式)」を導入したので、各課においては、移譲された予算編成権に基づき、自らの判断で責任を持った事業の取捨選択や財源確保を行うこと。また、限られた財源を効果的・効率的に活用するため、課内・班内での調整作業を十分に行い、課内自立型の予算編成に取り組むこと。(各課の配分額については別紙のとおり)

また、今年度は試行的に行政評価(事業評価)を実施し、事業の目的・手段・進捗状況などの検証を通して事業の整理合理化に努め、来年度以降の行政評価システム導入に向けた取り組みを行うこと。

 

 

〔予算編成留意事項

 

1 基本事項

 

() 前述の「予算編成の基本的な考え方」の各項目を着実に推進し、予算にその効果を反映すること。

また、年度途中の補正については、制度改正に伴うものや災害経費など真に止むを得ないもののみ対象とすること。

 

() 国・道の補助制度に基づく事務事業は、適正な地方負担額を見積もるものとし、町単独での上乗せ的な負担は認めない。

 

() 国の「三位一体改革」に伴う国庫補助負担金の削減、廃止などの一般財源化の動向や「骨太の方針2006」に伴う今後の動向に十分留意し、関係情報の収集に努めること。また、その他の補助制度についても改廃などの制度改正に十分留意し、カラ計上とならないよう取り扱うこと。

 

() 北海道においては、危機的な財政状況の立て直しを図るため、本年2月には「新たな行財政改革の取り組み」を策定し、全ての行政分野を対象に行財政改革を推進していますが、特に平成18年度と平成19年度の2ヵ年を歳出削減に集中的に取り組む期間と位置づけております。このことから、昨年道が示した「町村に財政的な影響のある施策の見直し(43事業)」を始め、今後においても各般にわたって削減に向けた施策の見直しが行われることが予想されますので、各所管においては、事業の変更内容や町への影響額など、的確な情報の収集に努めるとともに、この見直しによって生じる町財政への影響額については、単に町負担額に上乗せすることなく事業自体の見直しにより対応願います。

また、その他の補助制度についても改廃などの制度改正に十分留意し、カラ計上とならないよう取り扱うこと。

 

() 行財政改革実施計画(集中改革プラン)に基づき、各所管における事務事業の改善を図ること。

 特に、既存施策の効果を十分に評価した上で、事業の廃止や再編などの思い切った見直しを図り、積極的な取捨選択を行うこと。

 

() 議会の予算・決算審査及び監査委員の意見については、十分に検討を加え、改善を図ること。

 

 

2 歳入に関すること

 

歳入は、決算見込み額で計上すること。また、自主財源の確保を積極的に図るとともに、国・道支出金などの特定財源を効率的に活用すること。

 

(1)町税は、今後の経済情勢の推移や国の税制改正の動向を十分見極めた上で見積もるとともに、徴収率の向上により一層努めること。

 

(2)使用料・手数料等については、先の課長会議で決定した「使用料・手数料等の見直し方針」に基づき、受益者負担の適正化に向けた取り組みを進めていくが、各所管においては、社会経済動向を的確に把握するとともに管理経費や他市町村の状況等をを把握するなど料金水準の適正化に努めること。

 

(3)国・道支出金については、その施策や制度の改廃等に十分注意を払い、適正額で見積もること。

 

(4)町債については、適債性を確保するため政策財政班と十分協議した上で、適正額を見積もるとともに、財政措置のある地方債メニューの活用に努めること。

 

 

 

 

3 歳出に関すること

 

 歳出については、行財政改革実施計画(集中改革プラン)に基づき、取り組みの強化を図り、積極的に見直しを図ること。

 また、例年の決算状況を見ると、多額の不要額が生じているので、歳入同様決算見込み額で計上すること。

 

(1)補助事業の事務費の計上にあたっては、まず人件費(職員給与費)を最優先に充当した上で、総務課との協議により、役務費、借上料、需用費などの経費に充当すること。なお、投資的事業の事務費については、助役査定での対象事項とするので、十分精査したうえで見積もること。

(2)ソフト事業の対象経費では、事業執行上の特殊な経費を除き、可能な範囲で総務課と協議した上で、役務費、借上料、需用費などの共通経費に充てること。

(3)投資的事業については、10月27日をもって要望事業の変更等を取りまとめたところですが、別途管理して総合調整を図ります。

(4)旅費については、すべて積み上げ積算すること。

(5)町の単独の補助施策として予算を計上する場合は、補助金交付要綱などの根拠に基づくものであること。

(6)その他については、別紙「平成19年度予算要求における留意事項」に基づいて、見積もること。

 

 

4 特別会計、企業会計に関する事項

 

(1)特別会計については、前記までの項目に準じて見積もりを行い、収支の均衡に努めるとともに、効率的な会計運営に努めること。

また、会計間の負担区分については、「一般会計と他会計との負担区分」に基づき要求すること。

(2)企業会計については、その性格を十分認識して一層の合理化、効率化を徹底し、独立採算原則の視点に立った会計運営に努めること。